この記事の見どころ
⭐️ 子どもの病気が原点に
- 長女の喘息をきっかけに、「食で支える」道を志すように。
⭐️ 離乳食サロンからの歩み
- 母としての経験を活かし、幼児食・分子栄養学へと学びを広げて独立。。
⭐️ “美味しい・楽しい”が原点の教室
- 食べない悩みに共感し、ママも子どもも笑顔になれる場を作った。
⭐️ 食が生む親子の笑顔
- 家庭での小さな変化が、家族全体の空気を変える力になる。
⭐️ ママは子どものホームドクター
- 知ることで子育てが変わる──その第一歩を講座でサポート。
💬 interview
長女の喘息をきっかけに「食べることは生きること」を実感し、現在は離乳食・幼児食の専門家として活動。サロン形式で講座や相談を行い、親子の笑顔と未来を育む“食育サロンてて”の藤本さんにインタビューしました!

栄養士になろうと思ったきっかけを教えてください。

高校2年生のとき、祖父が病気になったことをきっかけに、食の大切さを実感しました。
「もし私がもっと食で支えられたら」そんな思いが芽生え、進路を変更して栄養士を目指すことを決意しました。

学生時代からファーストキャリアまでについて教えてください

島根県立大学短期大学部を卒業後、病院での給食委託業務に携わる栄養士として就職しました。その後、結婚・出産を機に一度現場を離れ、夫の自営業の経理・事務を担っていました。
そんな中、長女の喘息や肌荒れをきっかけに、あらためて「食」の影響力を強く実感。
「食の大切さを、もっとたくさんのお母さんたちに伝えていきたい」という思いから、離乳食・幼児食専門家として『てて〜未来に繋がる食育サロン〜』を開業しました。
鳥取県米子市を拠点に、離乳食・幼児食講座や、親子で楽しめる“取り分け幼児食”の料理教室などを開催。活動を続ける中で、より幅広い年代に対応する必要性を感じ、
開業から3年後には独自カリキュラムを構築した「子どもクッキング教室」「親子クッキング教室」を主宰。
さらに5年後には、分子栄養学を学び、オーソモレキュラーアカデミー認定「分子栄養学アドバイザー」の資格も取得し、子どもや産後ママ向けの個別栄養相談もスタートしました。
現在は、離乳食・幼児食講座の講師活動や個別相談に加え、ママたちが安心して楽しめるイベントを講師の方を招いて開催しています。

現在の仕事(活動)を始めたきっかけを教えてください。

長女が喘息や肌トラブルで病院に通う日々の中、苦しむ姿を見て「私にできることはないか」と模索し始めました。
調べていくうちに行き着いたのが、「食を見直すこと」。
実際に食生活を整えることで、長女だけでなく私自身も体調が良くなっていくのを実感し、「もっと食について学びたい」という想いが芽生えました。
今の時代、食はどんどん便利に、手軽に進化していく一方で、本当に大切なことを見落としてしまっているのではないかと感じるようになりました。
そこで私は、「食べることは生きること」「私たちの身体は食べたものでできている」という想いをスローガンに掲げ、子どもたちの未来につながる“食育”の場として起業を決意。
親子の食事を通して築かれるコミュニケーションの大切さや、食の知識を伝える教室を開くことにしました。
最初は私自身も、食に神経質になりすぎてしまったり、子どもがご飯を食べてくれないことに一喜一憂していた時期もあります。
でもだからこそ、「やっぱりご飯って、美味しい・楽しいが何より大切なんだ」と自分の経験を通して学んだからこそ、伝えられることがある。
そして仕事と子育てに追われ忙しい毎日、お母さんがホッと寛げる場所があったらいいのに、そうだ!私が作ろう!という思いから、屋号を学びの場である食育教室ではなくお話を通して調っていく食育サロンと名付けました。ゆくゆくは色んな方がこの場所で楽しいイベントをしてくださったらいいなという願いも込めてもいます。
現在の「てて」では、日々の生活に取り入れやすい“食養生”をコンセプトに、離乳食・幼児食講座、料理教室、個別相談など、幅広い活動を続けています。。

現在の仕事に詰まっている想いについてお聞かせください。

誰もが、わが子には健やかに、スクスクと育ってほしいと願っているはずです。
その“健康の土台”となるのが、やはり「食事」だと私は考えています。
特に、身体も心も大きく育つ幼児期の食事は、とても重要です。
だからこそ、妊娠したその時から、「どんな栄養が必要なのか」「どんな食事が未来の身体をつくるのか」を、出産準備の一つとして学んでほしいという思いがあります。
子どもの頃に、丈夫な身体としなやかな心が育っていれば、それはきっと、子どもの未来を切り拓く大きな力になります。そしてその子どもが、また親になったとき、今度は次の世代へと…
こうして“食”の大切さが、世代を越えて受け継がれていくような、そんな循環の一歩になれたらと願いながら活動を続けています。
また、今の時代は情報があふれすぎている時代。
少し検索したり、本を開けば、さまざまな食事法や栄養の知識に触れることができます。時にたくさんの情報が絡まり分からなくなることもあると思いますが、1人1人体質や生活習慣も違いますので、自分たちに合う食を周りに流されることなく自分の身体の変化に耳を傾けながら見つけていく力をつけられたらと私は思っています。

事業を通してどのような影響を社会に与えたいと思いますか?

一番の願いは、「親子の笑顔が増えること」です。
最近は、幼児期の食生活の乱れが原因で、偏食や栄養不足、さらには「食に関心を持たない子どもたち」が増えてきていると感じています。食事を毎日用意すること自体、とても大変なこと。
さらに、せっかく作っても思うように食べてくれない…。
そんな日々の繰り返しに、プレッシャーや不安を感じてしまうママたちも多くいます。
そんなお母さんたちの“頑張り”があることも忘れてはいけません。だからこそ、私は「寄り添う存在」でありたいと思っています。一緒に悩み、考え、少しずつでも食卓に笑顔が戻ってくるようなサポートができたら、その笑顔は、きっと家族みんなへと広がっていくはず。
「社会にどんな影響を与えたいか」と聞かれると、少し大きな問いに感じますが、
食を通じて、家庭の中に幸せな時間が増えていく。
そんな小さな変化の積み重ねこそが、未来の社会に温かな影響を与えてくれると信じています。

この記事を通して読者に届けたいことや今後の展望について教えてください

私は、お母さんが「子どもの栄養」について知ることができれば、
その存在は子どもにとって“いちばん身近なホームドクター”になれると信じています。
毎日の食事は、単なる栄養補給ではなく、子どもの心と身体の基礎を育てる大切な時間。そしてその時間をつくるお母さんたちにこそ、「食と成長のつながり」をしっかり知っていてほしい。それだけで、日々のごはん作りの見え方が変わるはずです。
何事も、まずは「知ること」から。
難しく考えすぎず、まずは気軽に学んでみてほしい。
もしご興味があれば、ぜひ幼児食講座に参加してみてください。これからも、子育てに悩むお母さんたちに寄り添いながら
一緒に“食で未来を育てる”活動を続けていきます。
藤本 寛美さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
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