「寝つきが悪い」「朝スッキリ起きられない」…そんな睡眠の悩みには、実は“栄養素”が大きく関係しています。
食事内容を工夫することで、睡眠ホルモンの生成や自律神経の安定を促し、快眠体質に近づけます。
本記事では、科学的根拠に基づく“睡眠の質を高める栄養素”と、日常で意識したい食生活のポイントを管理栄養士の視点で解説します。
睡眠ホルモン「メラトニン」と“栄養素”の深い関係
- 「メラトニン」は体内時計を整え、自然な眠りを導くホルモン。
- このメラトニンの原料になるのが、「トリプトファン」という必須アミノ酸。
- 体内では、トリプトファン→セロトニン→メラトニンの順で合成される。
- さらに、「ビタミンB6」「マグネシウム」などの栄養素が合成をサポート。
科学的トピック
トリプトファンは食事からしか摂れない必須アミノ酸。
炭水化物と一緒に摂ると脳への移行率が高まるため、主食+たんぱく質の組み合わせが理想的です。
管理栄養士の視点
- 朝食にしっかりたんぱく質・炭水化物をとると、日中のセロトニン分泌が増え、夜のメラトニン合成もスムーズに。
- 極端な糖質制限や偏った食事は、睡眠ホルモンの材料不足につながるため注意。
エビデンス解説
「トリプトファン摂取量が多い人は睡眠の質が高まる」(Nutrients 2020)
「ビタミンB6不足はメラトニン合成低下や不眠の一因となる」(Am J Clin Nutr 2016)
睡眠の質を高める主な栄養素と食品例
- トリプトファン:卵、牛乳、チーズ、豆腐、納豆、鶏むね肉、バナナ、ナッツ類
- ビタミンB6:まぐろ、サケ、バナナ、ピスタチオ、さつまいも
- マグネシウム:アーモンド、納豆、ほうれん草、玄米、海藻類
- GABA(ギャバ):発芽玄米、トマト、漬物(GABAは神経の緊張緩和に関与)
快眠のための食事・生活アドバイス
- 朝食をしっかり摂る
→ 体内時計がリセットされ、セロトニン→メラトニン合成が円滑に。 - バランスの良い食事を心がける
→ たんぱく質・炭水化物・ビタミン・ミネラルを毎食しっかり。 - 夕食は寝る2~3時間前までに済ませる
→ 消化が落ち着くことで深い眠りをサポート。 - 寝る直前のカフェインや大量のアルコールは避ける
- 日中は適度な運動・夜は強い光やスマホを控え、睡眠環境を整える
まとめ
睡眠の質は“栄養”から変えられます。
トリプトファン・ビタミンB6・マグネシウムをはじめとする栄養素を、バランス良く毎日の食事で取り入れて、
ぐっすり眠れる健康な体づくりを始めましょう。
コメント