キレイと健康の栄養学

運動しない日でもたんぱく質は必要?筋肉を落とさない食事法

キレイと健康の栄養学

「運動しない日はたんぱく質を控えてもいいの?」と疑問に思う方は多いかもしれません。
ダイエットや健康維持のために食事管理を意識する中で、たんぱく質の摂取量を減らすべきか迷うこともあるでしょう。
しかし、結論から言うと、運動をしない日でもたんぱく質は必要です。たんぱく質は筋肉の維持や体の修復に欠かせない栄養素であり、適切に摂取しないと筋肉が減少するリスクがあります。

本記事では、たんぱく質の重要性や、運動しない日でも筋肉を守るための食事法について詳しく解説します。

基本知識:たんぱく質の役割と必要量

たんぱく質は、筋肉・皮膚・髪・内臓など体のさまざまな組織を作る重要な栄養素です。
特に、筋肉はたんぱく質を材料として作られ、日常生活の中でも合成と分解が繰り返されています。
運動をしていない日でも、筋肉の分解は起こっているため、必要量のたんぱく質を摂取しなければ筋肉の維持が難しくなります。

たんぱく質不足が筋肉に及ぼす影響

たんぱく質の摂取が不足すると、以下のような影響が筋肉に現れます。

  1. 筋肉の分解が進む
    • 筋肉は常に合成と分解を繰り返していますが、たんぱく質が不足すると、分解が合成を上回り、筋肉量が減少につながりやすくなります。
  2. 筋修復が不十分になる
    • 日常の動作や運動で筋繊維が微細なダメージを受けるため、修復に必要なたんぱく質が不足すると、回復が遅れて疲労が抜けにくくなります。
  3. 筋力低下とパフォーマンスの低下
    • 筋肉量が減ることで、力が出にくくなり、運動や日常生活の活動量が落ちる可能性があります。
  4. 免疫力の低下
    • たんぱく質は免疫細胞の材料でもあるため、不足すると風邪をひきやすくなるなど、体調を崩しやすくなります。
  5. 基礎代謝の低下による太りやすさ
    • 長期的な目線ですが、筋肉量が減ると、エネルギー消費量(基礎代謝)も下がり、脂肪がつきやすくなります。

日本人の食事摂取基準(2025年版)によると、成人のたんぱく質推奨量は以下の通りです。

  • 成人男性
    • 18~29歳:65g/日
    • 30~64歳:70g/日
    • 65~74歳:65g/日
    • 75歳以上:60g/日
  • 成人女性
    • 18~29歳:55g/日
    • 30~64歳:60g/日
    • 65~74歳:55g/日
    • 75歳以上:50g/日

しかし、運動習慣がある方や筋肉量を維持したい方は、体重1kgあたり1.2g〜2.0gのたんぱく質を摂取することが推奨されています。
例えば、体重60kgの人であれば、72g〜120gのたんぱく質が必要になります。

具体的な方法:運動しない日のたんぱく質の摂り方

運動をしない日でも、適切なたんぱく質摂取が筋肉を守るカギになります。以下のポイントを意識しましょう。

1. 毎食にたんぱく質を含める

たんぱく質は、一度に大量に摂るよりも、1日を通してこまめに摂取する方が効率的です。1回の食事で約20〜30gのたんぱく質を摂ることを意識しましょう。

  • 朝食:ギリシャヨーグルトにハチミツとクルミをトッピング+バナナスムージー(プロテイン入り)
  • 昼食:ジューシーなグリルチキンとアボカドのサラダ+玄米
  • 夕食:香ばしい鮭の味噌漬け焼き+具沢山の味噌汁(豆腐・わかめ・ネギ)+彩り豊かな野菜炒め(パプリカ・ブロッコリー・人参)

2. 良質なたんぱく質を選ぶ

たんぱく質には動物性と植物性があります。それぞれをバランスよく摂取することが重要です。

動物性たんぱく質のメリット

動物性たんぱく質には必須アミノ酸がバランスよく含まれており、特に筋肉の成長や修復に役立ちます。

  •  動物性たんぱく質は体内で効率よく利用され、筋肉の合成をサポートします。
  •  エネルギー代謝を助けるビタミンB群が多く含まれ、疲労回復に貢献します。
  •  赤血球の生成を助ける鉄、免疫機能を強化する亜鉛が多く含まれています。

植物性たんぱく質のメリット

植物性たんぱく質は食物繊維や抗酸化成分が豊富で、健康的な食生活をサポートします。

  • 肉類に比べて脂質が少なく、カロリー管理がしやすくなります。
  • 食物繊維も摂取できるので、腸内環境を整え、便通を改善する効果があります。
  • 大豆製品などにはポリフェノールやイソフラボンが含まれ、美容や健康に良い影響を与えます。

運動をしない日でも、適切なたんぱく質摂取が筋肉を守るカギになります。以下のポイントを意識しましょう。

3. 運動しない日は脂質を控えめに

運動量が少ない日は、消費カロリーも低下します。そのため、たんぱく質を確保しつつ、脂質の摂取量を調整することがポイントです。
例えば、脂質の多い肉(バラ肉やソーセージ)ではなく、鶏むね肉や白身魚を選ぶと、カロリーを抑えつつ良質なたんぱく質を摂取できます。

注意点・よくある間違い

1. たんぱく質を摂りすぎると太る?

「たんぱく質を摂りすぎると太るのでは?」と心配する方もいます。しかし、適量であれば問題ありません。むしろ、筋肉の維持や代謝の向上に役立ちます。
ただし、極端に多く摂取すると余剰分が脂肪として蓄積される可能性があるため、適量を守ることが大切です。

2. プロテインだけで済ませるのは極力控え、やむ得ない場合のみにする

忙しいときにプロテインで手軽にたんぱく質を補うのは便利ですが、食事全体のバランスを崩さないように注意しましょう。
ビタミンやミネラルも含まれる自然食品(魚、肉、大豆製品など)と組み合わせることで、より健康的な食事になります。

3. 低脂質・高たんぱく食でも食物繊維を忘れずに

高たんぱく食を意識するあまり、野菜や穀物を減らしすぎると、食物繊維が不足し、腸内環境が乱れる原因になります。
バランスの取れた食事を心がけましょう。

まとめ

運動しない日でも、筋肉を守るためにはたんぱく質の摂取が欠かせません。
毎食に適量のたんぱく質を含めること、動物性と植物性のたんぱく質をバランスよく摂ることがポイントです。また、脂質や食物繊維のバランスにも注意しながら、健康的な食事を心がけましょう。

コメント