この記事の見どころ
⭐️ケーキを食べたことがない子の話。小麦アレルギーと生米パンの出会い
- 「誕生日ケーキを一度も食べたことがない」という言葉がきっかけで米粉・生米パンの世界へ。家にあるお米でパンが焼けるという、誰でも取り組みやすいアプローチが生まれた背景。
⭐️ 夫の腎臓移植、弟の右半身麻痺。家族の病気がキャリアの軸を作った
- 父の腎臓病をきっかけに管理栄養士を志し、夫の腎臓病と12年間向き合い、昨年は弟が入院し右半身麻痺に。家族の病気と寄り添い続けた経験が、今の活動の根底にある。
⭐️ 足し算ができなくなった日。うつ状態を経て気づいた「食べること・眠ること・日に当たること」の大切さ
- 職場のストレスで頭が働かなくなった経験を持つ加藤さんが、腸活・食事・睡眠を通じて回復した実体験。「体は食べるものでできている」という言葉に重みがある。
⭐️ 栄養士は1人職場が多い。「一人で抱え込まない」を学んだ病院建て替えの経験
- 病院の建て替えで全ての業務が一人に降りかかり、院長・事務長との板挟みに。そこで「分からないことは専門家に振る」という思考の転換が生まれた。
⭐️ 「がんばらない腸活」で家族みんなの笑顔と体を好調に
- 腸の学校®認定講師として、生きる上で一生の財産となる職の知識を3ヶ月マンツーマンでサポート。生米パン講座と腸活は、実は一本の線でつながっている。
Interview
「がんばらない腸活」をテーマに、病院管理栄養士経験25年の知識と実体験を活かして活動する加藤 恵美(かとう えみ)さん。腸の学校®認定講師として腸内環境の改善をサポートしながら、生米パン・生米シフォンケーキの講座もオンラインで準備中です。夫の腎臓病との12年間の闘い、弟の突然の入院と右半身麻痺、自身のうつ状態。家族と自分自身の病気に向き合い続けた経験が、「食の力で誰かの一歩を支えたい」という思いの原点にあります。加藤 恵美さんにインタビューしました!

現在どのような活動をされているか教えてください。

今は施設で管理栄養士として働きながら、並行してオンラインで生米パンと生米シフォンケーキの講座を準備しています。
また、腸の学校®認定講師として腸活の個別サポートも行っています。
生米パンというのは、家にあるお米(うるち米)をミキサーでドロドロにしてそのままパン生地にする方法で、わざわざ米粉を買いに行かなくていいのが特徴です。
米粉はメーカーによって吸水量が違うため出来上がりにばらつきが出ることがありますが、生米ならそのハードルがない。気軽に試してもらえるのが魅力だと思っています。
腸活の方は、3ヶ月マンツーマンで腸のタイプを見極めてその方に合った食材や習慣を一緒に作っていくプログラムを提供しています。

生米パンや腸活に取り組むようになったきっかけを教えてください。

生米パンのきっかけは、「誕生日ケーキを一度も食べたことがない」という子どもの話を聞いたことでした。
小麦(グルテン)アレルギーがあると、スポンジケーキが食べられないんですよね。
「米粉だったら食べられるんじゃないか」と思ったのが最初の一歩で、そこから米粉パンを試行錯誤するようになって、丸パン・ピザ・ベーコンエピを作れるようになって。そのうち「米粉もいいけど、家にあるお米がそのまま使えたらもっと手軽だな」と思い、生米の方にシフトしていきました。
腸活については、大学時代にアレルギーの論文を書いたことがあって、食と体の関係にずっと興味があったんです。
また自分自身のうつ状態を経験した中で、食事・睡眠・日光といった基本的なことが心と体に大きく影響すると実感したことも大きなきっかけになっています。

管理栄養士を目指したのはなぜですか?これまでのキャリアも教えてください。

もともとは父の腎臓病がきっかけで、腎臓の専門家になりたいと思って管理栄養士を目指しました。
そのうち結婚した夫も腎臓が悪くて、12〜13年間、食事療法を続けながら一緒に向き合ってきました。結果的に透析にはなったのですが、腎臓移植をして、職場に復帰できした。
病院管理栄養士として25年のキャリアを積んできましたが、その間にうつ状態を経験したり、病院の建て替えで大量の業務が一人に降りかかって精神的に追い詰められた時期もありました。
昨年は弟が入院して右半身麻痺になるという出来事もあって、弟に寄り添うために地元に戻ることも考えながら、在宅でできる仕事を模索中です。

活動の中で大切にしていることを教えてください。

「相手の立場に立って、一番困っていることを聞くこと」を大切にしています。
「何に悩んでいますか?私にお手伝いできることはありますか?」という問いかけから始めて、その人の状況に合わせた次の一歩を一緒に考えるようにしています。
また、「一人じゃないよ」ということを伝えたいという思いがすごく強くあります。自分自身もうつ状態の時に、ふとしたLINEや家族の言葉に「見てくれている人がいる」と救われた経験があるので。
特に栄養士は1人職場のことが多くて、一人で抱え込みやすい職種でもある。そういう方々にも「気にかけてくれる人がいる」と感じてもらえるような関わり方をしていきたいと思っています。

これまでで特に大変だった経験や、価値観が変わった出来事はありますか?

一番大変だったのは、病院の建て替え時に食器の発注・機材選定・搬送の段取りまで、すべての業務が一人に降りかかってきた時期です。
さらに理事長の判断を巡って院長・事務長と板挟みになって、矢面に立たされて。「もう嫌だ」と思うくらい追い詰められました。でも、メーカーの方が助けてくださったことで乗り越えられて。その経験から、「分からないことは専門家に振る、一人で全部抱え込まない」ということを学びました。
もう一つ大きかったのは、うつ状態になった時期です。足し算ができなくなって、「あれ、これ計算できない」と気づいた時には本当に限界だったんだなと。
先生に「仕事から離れなさい」と言われて初めて休めたのですが、その時に食べること・眠ること・太陽に当たることがいかに心と体を支えているかを身をもって感じました。「体は食べるものでできている」という言葉が、自分の経験と繋がった瞬間でした。
精神的にきつかった時に、インスタグラムで腸の学校®を知り、加勢田千尋様より、腸内環境を整える食事法により、便秘や精神的な不安定さも改善することができました。

活動を通じてどんな人に届けたいですか?

便秘・アレルギー・肌荒れ・花粉症・メンタルの不調で悩んでいる方、特に子どもから大人まで家族みんなで取り組める腸活を届けたいと思っています。
腸を整えることで、アレルギーが抑えられたり、肌の状態が改善したり、メンタルが安定したりする。これは私自身の経験でも感じてきたことです。お母さんが腸活を学んで実践することで、その家族全員に波及していく。
「これを知っていれば一生大丈夫」と思えるような知識を、家族の笑顔につなげていきたいんです。
また、小麦アレルギーがあってケーキを食べたことがない子どもたちにも、米粉パン、生米パン・生米スイーツを通じて「みんなと同じテーブルで食べる喜び」を届けたいという思いもあります。

これからの展望を教えてください。

生米パンの講座を一つスタートさせることが直近の目標です。並行して腸活の個別サポートも続けていきます。
また、弟のことが落ち着いたら地元に戻ることも考えていて、在宅でできる仕事の形を整えながら、食に関する発信・仕事を生涯続けていきたいという思いがあります。
手書きのメモにも書きましたが、生米パン・生米シフォンケーキをオンラインで教えながら、介護食についても伝えていけたらと思っています。
「私は自分のことより人のことをする人間だと思う」と自分でも感じているので(笑)、誰かが「困ったな」と思った時に、気軽に聞いてもらえる存在でいたいです。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

栄養士という仕事は、今もいろんな形で社会に貢献できると思っています。日々勉強しながら、自分で情報を取って学んでいくことも多い仕事ですが、自分が選んだ仕事に自信を持って取り組んでいってほしいと思います。
食事は毎日一生続くもの。
食事を少し変えるだけで体調が良くなったり、心が安定することもあります。心と体を健康に保つのも、食事の力が大きいと私は信じています。
一つ一つの食事を大切に、いろんな食事を楽しみながら、健康に気をつけて過ごしていってください。
そして、一人で抱え込まずに、困ったときは誰かに声をかけてみてください。あなたのそばに、気にかけてくれている人は必ずいます。
