この記事の見どころ
⭐️週5日ラーメン・夜1時まで飲酒の37歳が、運動ゼロで8キロ痩せた
- 「好きなものを好きな時に好きなだけ食べる。中学3年生でサッカー部を引退してから一切運動していない」——そんな37歳の経営者が、遺伝子検査をもとにした栄養指導を自ら体験したことで、3ヶ月で8キロの減量に成功した。しかも運動ゼロ、食事改善だけで。「人生初めての体験」と語るその感動が、食と栄養の事業を立ち上げる原動力になった。
⭐️スローガン「スポーツ育成年代に食事と栄養が当たり前の文化を指導者様と共に作る」
- 長峯さんが掲げるスローガンはシンプルかつ力強い。プロのアスリートたちが「もっと早くから食事に取り組んでいればよかった」と口を揃える中、育成現場では誰も危機感を持っていなかった。「知ってたらできたのに、知らなかったことによってできなかったことがあるとしたら、知るきっかけを作ってあげることが自分の役割だ」という確信が、全国への活動を支えている。
⭐️潰れかけた会社を救った、市場転換の決断
- 2018年に創業し、ダイエット市場に参入したが約10ヶ月でほぼ売り上げゼロという壁に直面した。「このままでは会社が潰れる」と感じた瞬間、課題が明確なスポーツ市場へ全振りすることを決断。息子がサッカーをしていたこともあり、子どもたちのスポーツ食育へと方向転換。その後、元日本代表選手がプログラムを受けてくれたことが大きな転機となり、口コミで全国にネットワークが広がっていった。
⭐️47都道府県の強豪校に電話営業——泥臭い積み上げが今の実績を作った
- スポーツ市場に参入後、全国47都道府県の高校サッカー選手権ベスト4、ベスト8以上のチームをリスト化し、端から電話営業。「無料でセミナーを行うのでアンケートの協力をお願いできますか」と北海道から沖縄まで回り、何百人もの子どもたちと保護者のアンケートデータを収集した。「見よう見まねでやっても続かない。表面的にはできても本質がわからない」——とてつもない量の現場経験が、今のキーマインの差別化を生んでいる。
⭐️「食育セミナーとは、食を通した教育である」——長峯さんが届けたいものの本質
- 長峯さんが大切にしているのは、「人が自分で考えて選択して決めて行動すること」。食は一日三回、一生し続けるもの。その選択を自分の意図でコントロールできるようになれば、どんなことも自分で決めて行動できる力が育まれると信じている。「食育セミナーは営業じゃない。食を通した教育だ」という姿勢が、スポーツ指導者や協会から信頼される理由になっている。
Interview
「知らなかったからできなかった、はもったいない」——そう語るのは、株式会社キーマインの代表・長峯誠さんです。料理人から営業マンへ転身し、遺伝子検査キットの代理店事業を経て、自身が遺伝子栄養プログラムで8キロの減量に成功した体験をきっかけに起業。今では全国80チーム以上のスポーツクラブに管理栄養士をオンラインで届ける「チームプロ」サービスを展開し、年間4,000〜5,000人の子どもたちに食育セミナーを届けています。「スポーツ育成年代に食事と栄養が当たり前の文化を指導者様と共に作る」——そのスローガンのもと、育成現場の食の常識を変え続ける長峯さんにインタビューしました!

現在は、キーマインとEN.COUNTERでどのような活動をされているんですか?

株式会社キーマインと株式会社EN.COUNTERという二つの会社の代表をしています。
EN.COUNTERでは、経営者とアスリートを対象にした個人コーチングをしています。コンサルティングとは違って、本人が自分で決めていくためのアシストをする——問いを通じて、その方が持っているリソースをどう使うかを一緒に考えるというコーチングを行っています。
キーマインは大きく二つの事業があって、一つは育成年代からトップアスリートまでを対象に、遺伝子検査をもとにしたパーソナルの栄養サポートです。もう一つは「チームプロ」というサービスで、スポーツのクラブチームに管理栄養士をオンラインで配属する仕組みです。サッカー・野球・バスケ・チアリーディング・ハンドボールなど、現在80チームほどに栄養士の動画コンテンツを配信したり、選手や保護者が栄養士にLINEで質問や相談できる環境をチームに届けています。

料理人から営業の世界へ進まれた後、食と栄養の事業を始めることになったきっかけを聞かせてください。

もともとは料理人をやっていて、自分で飲食店もしていたのですが、色々あって営業の世界に転じ、営業会社を立ち上げました。その後、遺伝子検査キットの代理店事業を始めたんですが、キットを卸すだけでは発注が続かないと気づいて。「そもそもエンドユーザーはこれの何に喜んでいるのだろう」と気になって、自分でも体験してみることにしたんです。
当時の自分は37歳で、週5日はラーメン、夜1時まで飲酒が週3回、中学生以来一切運動なしという生活でした。それで遺伝子検査の結果を持って栄養サポートを受けてみたら、運動ゼロ・食事改善だけで3ヶ月で8キロ痩せたんですよ。人生初めての体験でした。
「これは遺伝子検査がすごいんじゃなくて、遺伝子検査をどう生かすかというソリューションの設計と、それを世の中にどう伝えるかというマーケティングの掛け算なんだ」と確信して、2018年にキーマインを設立しました。

キーマインを立ち上げてから、スポーツ育成年代に軸足を移されるまでには、どんな転機があったのでしょうか。

最初はダイエット市場に参入したのですが、2018年5月の創業から翌年3月までほぼ売り上げがなくて、会社が潰れそうなところまで行きました。ダイエット市場は競合が多いですし、遺伝子という当時まだ知られていない情報を持って参入しても、誰も課題が明確じゃないから刺さらなかったのです。
そこで「ソリューションには絶対的な自信があるから、もっとニーズが顕在化しているところにアプローチしよう」と考えて、2019年3月にダイエット・ヘルスケア市場から撤退して、スポーツ育成年代に全振りすることを決めました。息子がサッカーをやっていたこともあって、育成現場で食事の大切さを誰も伝えていないことに気づいていたので。
スポーツに全振りした後、すぐにご縁があって元日本代表クラスの選手がプログラムを受けてくれて、インスタグラムにも取り上げていただきました。それが営業材料になって口コミで広がり、さらにスポーツ協会の指導者向け研修会に講師として呼んでいただいた際に講師料をいただいたことが大きな転機でした。「自分たちが話していることは、お金を払ってもいいくらいの価値があるんだ」と気づいて、そこから全国に向けてブワっと動き始めました。
その後は超泥臭く、全国の強豪高校サッカー部をリスト化して端から電話営業し、無料セミナーと引き換えにアンケートデータを集めながら、北海道から沖縄まで回りました。その現場経験の積み重ねが、今のキーマインの土台になっています。

食育セミナーを通して、長峯さんが子どもたちに届けたいものは何ですか?

僕らはセミナーのことを「食育セミナー」と呼んでいて、食育とは「食を通した教育」だと思っています。では何を教育しているのかというと、人が自分で考えて選択して決めて行動する、ということです。
食って一日三回、一生し続けるものじゃないですか。これをわずかでも自分で考えて選ぶようになって、その結果が今の自分の体を作っているということを理解した上で食事を選ぶのか、全く意識せずにいるのかって、すごく価値のあることだと思っているんです。
食欲は人間の三大欲求の一つですが、それを自分の意図でコントロールできるようになったら、どんなことも自分で決めて行動できるくらい強いことだと思っています。そういう考えに共感できる人と手を組んで、食育という形でも様々な形でも、子どもたちが自分で考えて行動できるようになる仕組みを一緒に作っていけたらと思っています。

創業直後の苦しい時期を、どのように乗り越えてこられたのでしょうか。

やっぱり創業直後の約10ヶ月ですね。ほぼ売り上げがなくて、もう一つの会社の利益を全部キーマインに突っ込んで、自分の給料もしばらく取れない状態が続きました。
ダイエット市場はレッドオーシャンで、後ろ盾も実績もブランドも何もない状態で、さらに当時まだ誰も知らない遺伝子という情報を持って参入しても、誰にも響かなかった。企業の健康経営事業部に何十社も訪問しましたが、健康経営という概念自体がまだ浸透していない時代で、「課題がない人にソリューションだけ持っていっても意味がない」という現実を痛感しました。
でもソリューションには絶対的な自信があったから、市場を変えるという決断ができた。あの時にスポーツ育成年代に全振りしなかったら、今はなかったと思います。

活動を通して、スポーツ育成年代にどんな変化を広げていきたいですか?

「知らなかったからやれなかった」は、もったいないと思っているんです。知った上でやらないという選択は、その人の自由です。でも知らなかったからできなかったというのは、誰かが何かをしてあげればできたかもしれない話で、そこにはエネルギーを注ぎたいと思っています。
プロのアスリートたちがみんな「もっと早くから食事のことに取り組んでいればよかった」と言うのに、育成の現場に行くと誰も危機感を持っていない。その現状を変えていきたい。
スローガンとして掲げているのが「スポーツ育成年代に食事と栄養が当たり前の文化を指導者様と共に作る」ということです。まずはどんな競技であれ、第二次成長期にあたる小学校高学年から中学生の時期に関わるすべてのスポーツ協会と連携することを目標にしています。今サッカーでは全国六支部と連携してきていて、バスケットボール、バレーボールと広げていきたいと考えています。

これから先、食育をどのように広げていきたいと考えていますか?

とにかく、子どもたちと保護者さん、そして指導者さんが「食事と栄養のことを知る」きっかけをもっと広げていきたいです。今、年間4,000〜5,000人の子どもたちに食育セミナーを届けていますが、まだまだ届けられていない現場はたくさんある。
また、コンテンツの質にもこだわっていて、過去130本以上の動画を栄養士がスクリーニングして、エビデンスが古くなっていれば作り直すということもしています。「この情報には責任を持つ」という姿勢が評価されてきているので、質を保ちながらより多くのチームに届けていきたいと思っています。
「関われるお客さんの数が増えれば、自然と栄養士の仕事も増える」——そういう好循環を作りながら、育成現場の食の文化を変えていくことに全力を注いでいきます。

最後に、子どもたちの教育やスポーツの育成に関わる読者へ、伝えたいことを聞かせてください。

食は一日三回、一生続くものです。その選択を少しでも自分の意図でできるようになることで、体だけじゃなく、考え方や行動にも変化が生まれると信じています。
子どもたちの教育に関わっている方、スポーツの育成現場に携わっている方、ぜひ一度お話しさせていただきたいです。「食育」という考え方に共感できる方と、一緒に育成現場の文化をつくっていきたいと思っています。
長峯 誠さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
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