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ボバースからオステオパシー、そしてシナプス療法へ。一人の理学療法士が20年かけてたどり着いた境地【伊藤 聖】

インタビュー

この記事の見どころ

⭐️「患者さんの限界は、施術者の限界だ」——そのプレッシャーが、圧倒的な勉強量を生んだ

  • 新卒で入職した病院は、脊髄損傷のリハビリで知られる施設。そこにはゴッドハンドと呼ばれるセラピストたちがひしめき、「患者さんの限界は施術者の限界だ」という言葉とともに、高い水準を求められ続けた。苦しい環境だったが、そのプレッシャーが圧倒的な勉強量を生み、知識と技術を磨き続けることへの原動力になった。

⭐️ボバースでは教えてもらえなかった技術を求め、オステオパシーの世界へ

  • ボバース(神経リハビリの運動療法)を軸に働く中で、上層部のセラピストが背骨の歪みをさっと整える技術を持っていながら「ボバースの勉強会だから教えない」と言われた経験が転機になった。枠の中だけでは得られない技術への探求心が高まり、背骨・内臓・構造的アプローチを統合するオステオパシーの世界へ飛び込み、講師・理事まで務めるようになっていった。

⭐️お年玉で「体の不思議」の本を買い続けた少年が、理学療法士になるまで

  • 小学生の頃から体の仕組みへの興味が人並み外れていた。新聞の広告欄に載っていた体の不思議に関する分厚い本を、お年玉をはたいて購入していた。その本が今でも実家に残っているというほど、幼い頃から体への関心は本物だった。スポーツで怪我が絶えない中で体の動かし方に関心を持ち続け、友人の一言をきっかけに「軽いノリで」受験した理学療法士の道へ。しかしその根っこには、幼い頃からの純粋な知的好奇心があった。

⭐️施術者自身の自律神経機能も上がる——体を壊していく施術者を減らしたい

  • 施術を続けるうちに体を壊してしまう施術者は少なくない。シナプス療法はその技術の組み立て上、施術を行う側の自律神経機能も向上することがデータで確認されているという。「受ける側が喜ぶだけでなく、やる側も健康になっていく」——かつての師匠たちが懸念していた問題が、ここで解決されていると語る。

⭐️「5年後に日本全国でシナプスの名前が知られ、10年後には信頼される存在に」

  • 腰が痛ければ「シナプス行ってきたら?」と気軽に言い合えるような、マッサージや整体と並ぶ存在になることを目指している。現在すでに東京・大阪に複数の直営店があり、全国への展開が進んでいる。「過去の自分が早くこれに出会いたかったと心から言えるもの」を、できるだけ多くの人に届けることが今の使命だ。

Interview

「知識も技術も大事。でも最後は、この人を治したいという思いが人の役に立つ」——そう語るのは、大阪・静岡・東京の3拠点でいとう整体院を営む理学療法士・伊藤聖さんです。新卒で入職した脊髄損傷リハビリで知られる病院でゴッドハンドたちに囲まれ、圧倒的な勉強量で技術を磨いてきた伊藤先生。ボバースからオステオパシーへ、そして「シナプス療法」との出会いへ——長い探求の末にたどり着いたその確信は、施術者としての20年以上の歩みが生んだものでした。シナプス療法の認定講師として全国各地を飛び回る伊藤さんにインタビューしました!

中村

現在は、いとう整体院の運営とシナプス療法の講師活動を中心に、どのような活動をされているんですか?

伊藤さん

大きく二つあって、一つはシナプス療法を使った整体院の運営です。大阪・静岡・東京の3拠点でやっていて、いずれもマンションの一室を借りた形で、基本的には口コミでご来院いただいています。

もう一つはシナプス療法の講師活動です。東京・長野・浜松・福岡・熊本・長崎など各地で月1回のグループ講習会を担当していて、新しく習いたいという方には出張でマンツーマンの講習会も行っています。富山・山梨・長野あたりが最近多いですが、沖縄・種子島・北海道・山形など、全国どこへでも出向いています。

中村

幼い頃から体への興味があったそうですが、理学療法士を目指すことになったきっかけを聞かせてください。

伊藤先生

もともとスポーツをやっていて、扁平足とかX脚とか言われながらも痛みが多くて、まともに練習できない状態がずっと続いていたんですよ。筋トレを始めた高校生の頃から、周りの人と体の動かし方が違うなとか、怪我している人の動き方を見て「そんな使い方するから怪我するんちゃうか」とか、なんとなく感じていて。

あとは幼少期から体の不思議に関する本が好きで、お年玉で1万・2万円するような分厚い本を買っていたんですよ。新聞の広告欄に載ってるやつで、今でも実家にあります。そういう興味の延長で、友人が理学療法士を目指すと聞いて「あ、そういえばリハビリやってもらった人がそういう仕事だな」と思って、軽いノリで受験したという感じですね。

中村

理学療法士としての病院勤務から独立、そしてシナプス療法に出会うまでには、どんな転機があったのでしょうか。

伊藤さん

長崎の大学で理学療法士の資格を取って、脊髄損傷のリハビリで有名な大阪の病院に就職しました。学生実習でその病院のOBがいたご縁で、ボバースという運動療法の研修を見学させてもらったのがきっかけです。

そこにはゴッドハンドと呼ばれるセラピストたちがいて、「患者さんの限界は施術者の限界だ」という考え方が浸透していました。目の前で歩けない患者さんがいたら、それはあなたのせいだとずっと言われ続けるんですよ。苦しかったですが、その苦しさがあったから勉強し続けられた面もあります。

ボバースで働く中で、上層部の先生が背骨の歪みをさっと直す技術を持っていながら「ボバースの勉強会だから教えない」と言われた経験が転機になりました。その枠を超えた技術への探求心が抑えられなくなって、背骨や内臓も含めたアプローチができるオステオパシーの世界に飛び込んで、セミナーに通ううちに講師・理事まで務めるようになっていきました。

オステオパシーの学校設立にも関わり、そのタイミングで病院を辞めて整体院として独立しました。しかしオステオパシーも素晴らしい一方で、限界を感じる部分もあって。ちょうどその頃、シナプス療法の開発者と出会い、開発の過程を横で見続けながら、講師として一緒に広める側に関わるようになりました。

中村

長い探求の中で、施術や指導においてどんなことを大切にされるようになったのでしょうか。

伊藤さん

シナプス療法をやってきて気づいたのは、「知識や技術はもちろん大事だけれど、最後はこの人を治したいという思いが人の役に立つんだ」ということです。長い間、知識と技術があってこそ人を助けられると信じて、圧倒的な勉強量で乗り越えてきた自分がいたんですが、それと同じくらいシンプルなことが大事だったんだなと。

もう一つ大切にしているのは、施術者自身の健康です。施術を続けながら体を壊してしまう人が多い業界で、師匠たちもずっとそれを心配していました。シナプス療法はその技術の組み立て上、施術者側の自律神経機能も上がるということがデータで出ているので、「受ける側が喜んで、やる側も健康になっていく」というのが実現できている。昔から懸念していたことが解決できているのは、本当によかったと思っています。

中村

新卒からの厳しい環境や、整体院の運営を通して、特に心に残っている葛藤を聞かせてください。

伊藤さん

一番大変だったのはやっぱり、新卒で入職した病院での日々ですね。目の前の患者さんが歩けないのは自分のせいだ、という言葉を浴び続けるのは、本当に苦しかった。でも同時に、その環境があったから圧倒的な勉強量が生まれたし、技術を磨き続けることができた。苦しさと成長が表裏一体でした。

整体院の業態についても、正直な失敗がありました。看板を出さないマンションの一室という形を選んだのはコスト面の判断だったんですが、路面店の方が集客しやすいというのは頭ではわかっていた。後々その間違いに気づくこともありましたが、それでもなんとかやれてきたのは、技術への自信と、口コミで来てくださる方々のおかげです。

そして、長くこの業界にいると、施術を続けながら体を壊してしまう仲間を何人も見てきました。師匠たちも昔からそれを心配していた。知識と技術を追い求めるあまり、自分自身をすり減らしていく——そういう負の連鎖を、なんとかしたいという思いはずっとありましたね。

中村

シナプス療法を通して、これからどんな社会を実現していきたいですか?

伊藤さん

「ちょっと腰が痛いな」と言ったら「シナプス行ってきたら?」と返ってくる——マッサージや整体と並ぶくらいの認知度と信頼を、シナプス療法に作っていきたいと思っています。5年後には日本全国でその名前が知られ、10年後には信頼される存在になっていることが目標です。

施術を受ける側だけでなく、施術をする側も健康になれるというのがシナプス療法の大きな特徴です。今の業界では知識と技術を追い求めるあまり体を壊してしまう施術者が多い。そういう方たちにこそ知ってほしいし、一般の方にも広めていきたいと思っています。

中村

直営店舗の展開や学会発表も含め、これからどのようにシナプス療法を広げていきたいですか?

伊藤さん

今、シナプス療法の直営店舗を全国に広げているところです。東京・大阪にすでに複数店舗あり、今後さらに拡大していく予定です。学会発表も毎年行っていて、きちんとした論文としてエビデンスを積み上げていくことも進めています。

受講者の層も広がっていて、理学療法士や鍼灸師などの医療専門職だけでなく、一般の方・主婦の方も多く習いに来てくれています。一般の方の方が先入観がない分、習得が早いということもあって、間口を広げながら広げていく活動に尽力していくつもりです。

中村

最後に、施術の現場で壁を感じている読者へ、伝えたいことを聞かせてください。

伊藤先生

今施術をしていて壁を感じている方へ。その壁は、今まで学んできたことが足りないせいではないかもしれません。先輩たちも同じ限界を感じながら走ってきた。その先に、全く違うアプローチがあったということです。

シナプス療法は、知識ゼロからでも半年で誰に対しても施術ができるようになる。そして習った技術はすぐに現場で使える。自分自身も健康になっていく。過去の自分が早く出会いたかったと心から思えるものを、今も壁に当たっている施術者の方々に届けたい。ぜひ一度、シナプス療法のことを調べてみてください。そして、私のところに会いに来てもらえたらと思っています。

伊藤 聖さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!

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