インタビュー管理栄養士関西

辛くない、難しくない。スパイスカレーが「健康の入り口」になる理由【管理栄養士・料理研究家上仲 摩耶】

インタビュー

この記事の見どころ

⭐️「スパイスの魔術師」は仲間がつけてくれた名前だった

  • 自分から名乗り始めたわけではなく、コミュニティのメンバーが広めてくれた愛称がそのまま定着した。人とのつながりから生まれたキャラクターにまつわるエピソード。

⭐️ ルーを使わないスパイスカレーは、実は栄養士的に理にかなっている

  • 一皿で旬の野菜・スパイスの薬膳的役割・彩りと満足感が揃う。栄養士としての知識がスパイスカレーという形と自然に出会った瞬間の話。

⭐️ 「こんなんカレーじゃない」。間借りランチで受けた批判が、自分の味を決めた

  • 健康を届けたいという優しい味と、一般的なスパイスカレーへの期待とのギャップ。落ち込みながらも試行錯誤し、「この味でいい」と腹をくくるまでの葛藤。

⭐️ カレーが「ご縁つなぎの場」になっている

  • 食事を提供するだけでなく、イベントやワークショップで参加者が自然と仲良くなっていく。健康を届けながら人のご縁をつなぐ場所になっているという、嬉しい気づき。

⭐️ 次の夢は「自分のアトリエ」。料理教室・仕込み・飲食・シェアキッチンが一体となる場

  • 飲食店ではなく「自己表現の場」が欲しい。お菓子作り・料理教室・飲食営業・レンタルキッチン、すべてを叶えられる拠点を目指す構想。

Interview

「スパイスカレーを知ってもらって、そこから薬膳につなげて、普段の食事のきっかけにしてほしい」。栄養士・料理研究家として大阪を拠点に活動する上仲摩耶(うえなか まや)さんは、そう話します。マルシェ出店・間借りランチ・料理教室・異業種コラボなど、スパイスカレーを軸に「健康を身近に感じてほしい」という想いで活動を続けています。自身のアトピー経験からグルテンフリーにも関心を持ち、「スパイスの魔術師」の名のもと料理のハードルを下げる活動を広げる上仲さんに、その歩みと想いを伺いました。

中村

現在の活動について教えてください。

上仲さん

 スパイスの魔術師として、スパイスカレーの普及活動をしています。もともと栄養士として仕事をしてきたんですけど、その中で料理を伝える人として何が大事なのかな、何ができるのかなとなった時に、一番しっくりきたのがスパイスカレーだったんですね。

ルーを使っていないのでヘルシーですし、一皿で野菜やいろんな副菜が満足度高く取れて、彩りも綺麗。深掘りしていくと、スパイスって結構薬膳的な役割があるんです。旬の食材も使えて栄養価も高いので、一皿でかなり健康的にアプローチできると思って。栄養士としての経験とスパイスカレーを掛け合わせて、ここ5年ほど活動しています。

現在はマルシェ出店と間借りでのランチを2ヶ月に1回やっています。ほかにもカレーの作り方を教えるワークショップや、異業種の方とのコラボも多いですね。結婚相談所の方とコラボしたりとか、人脈を広げたい方と健康を伝えたい私とで、いろんな形でさせてもらっています。

中村

栄養士を目指したきっかけを教えてください。

上仲さん

もともと食べることと作ることが好きで、スポーツや他のことがやりたいというよりも、身近に常に食があったので、それを大事にしたいなという感じでしたね。甲子園大学の栄養学部に進んで、卒業後は給食会社で栄養士として働きました。

その後、飲食業界の楽しさに目覚めて飲食業界へ飛び込んだのですが、コロナ禍で大打撃を受けて。2021年頃からスパイスカレーの活動を本格的に始めました。
今はグルテンフリーやビーガンを扱うカフェでも働きながら、自分の活動の肥やしにしています。

自身がアトピーで、グルテンフリーにしたらむくみや眠気がだいぶましになったという経験もあって、自然とその方向への関心が深まっていった感じです。

中村

活動を通じて大切にされていることを教えてください。

上仲さん

健康を身近に感じてほしい、料理のハードルを下げたいという意識でやっています。

料理が苦手な方や、忙しくて料理が疎かになっている働き世代の方に向けて、健康を届けたいなと思っています。
スパイスカレーって辛そう・難しそうというイメージがあると思うんですけど、究極めんどくさかったらスパイスのミックスを買えばいいですし、キーマカレーなら炒めてカレー粉を入れれば結構簡単にできたりします。

まずは知ってもらうことで、その先に薬膳につながって、普段の食事への意識が変わるきっかけになったら嬉しいなと思っています。

中村

これまでに乗り越えてきたエピソードを教えてください。

上仲さん

間借りでランチ営業をさせてもらった時に、「薄い」「こんなんカレーじゃない」って言われた時期があって、めちゃくちゃへこみましたね。

私は健康を届けたいをベースにやっているので、優しい味がベースなんですが、外食でスパイスカレーを食べる方には濃い味を求める方も多くて、そこのギャップが起きたんだと思います。
一時期、意識して濃い味にした時期もありましたが、結局自分の味で美味しいと言ってくれている人も一定数いるから、「じゃあ私の味はこの優しい味ベースでいいか」

って今はそこに行き着いています。辞めたいと思ったこともありましたけど、イベントの予定も決まってたし、もうやるしかないかってなって続けてきた感じです。

中村

活動を通じてどんな影響を広げていきたいですか?

上仲さん

カレー自体というより、こういうイベントやワークショップをすることで、参加者さん同士がなんか知らない間に勝手に仲良くなってくれているんですよね。
健康を伝えるだけでなく、人のご縁つなぎの場としてもきっかけ作りになっているなという実感があるので、そういうご縁つなぎの場所として続けていけたらいいなと思っています。

中村

今後挑戦したいことを教えてください。

上仲さん

今年はカレーのスパイスの販売をやってみたいです。
就労支援の事業所さんにスパイスのレシピと配合を渡してパッケージしてもらって、オンラインで販売したり、マルシェに持ち込んだりしたくて。
自分がマルシェでカレーを作れない日でも持っていけますし、名刺代わりにもなるし、販路も広げられると思っています。
もっと先の夢は、自分のアトリエを持つことです。

飲食店というよりも、自己表現の場が欲しくて。お菓子作りの仕込み工房にもしたいし、料理教室もしたいし、飲食営業もしたいし、レンタルキッチンが必要な人にもシェアできるような、いろんな形で使える場所が欲しいなと思っています。

中村

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

上仲さん

スパイスカレーを身近に感じてほしいなと思っています。
辛そう・作るのが難しそうというイメージがあると思いますが、辛くないカレーもありますし、一皿でいろんな楽しみ方ができます。

スパイスカレーを知ってもらうことで、薬膳につながって、普段の食事や食育につながるきっかけになったら嬉しいです。

上仲 摩耶さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
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