この記事の見どころ
⭐️31年間、人の暮らしを支えてきた。今度は「食」で健康を支えたい
- 31年間、市役所で公共建築に携わり、人々の暮らしを支えてきた中村さん。退職後に選んだのは意外にもスパイスカレーの世界だった。「人の暮らしに関わることも、食を通じて健康を支えることも、同じ使命だと思っています」その想いから、熊本で新しい食文化づくりに挑戦している。
⭐️ 「飲んだ後はラーメン」ではなく、「身体をいたわる〆カレー」という文化をつくりたい
- 飲み会の後にラーメンで締める光景を見てきた中村さん。自分自身もそうだったが、スパイスを学ぶ中で「最後の一杯を、もっと身体に優しいものへ変えられないか」と考えるようになった。だからこそ、スパイス・豆乳・十割そばなどを取り入れた「〆カレー」の開発を進めている。目指しているのは料理ではなく、新しい食文化だ。
⭐️ スパイスは「美味しい」だけではなく、「健康への入り口」になる
- スパイスは古くから健康維持にも活用されてきた。毎日の食事の中で自然にスパイスを取り入れることは、健康を意識するきっかけになる。「健康だから食べる」ではなく「美味しいから続けられる」その積み重ねが未来の健康につながると考えている。
⭐️ 建築・AI・飲食。一見バラバラに見える仕事をつなぐ一本の軸
- 現在は飲食店の経営だけでなく、建設業向けに生成AIを活用した業務改善支援も行っている。建築では安全で快適な空間をつくり、AIでは働く人の時間を生み出し、飲食では健康で豊かな時間を届ける。一見すると異なる分野だが、すべては「人の暮らしをより良くすること」という想いから始まっている。
⭐️ 目指すのは「熊本名物」ではなく、「熊本から始まる新しい健康文化」
- 目指しているのは、単なる人気店ではなく食文化の発信だ。「熊本へ行ったら最後は〆カレーを食べよう」そんな文化が生まれること。スパイスの魅力や健康への考え方を広めながら、「食を通じて健康寿命を延ばす」という未来を熊本から発信していきたいと考えている。
Interview
「カレー屋のオーナーというより、食文化を提案する人でありたい」そう語るのは、熊本市中央区下通でCurry the ナカム〜ラを営む中村秀司さんです。
熊本市役所で31年間、建築技術者として公共建築に携わってきた中村さんが、51歳での退職後に選んだのはスパイスカレーの世界でした。役所勤務時代のストレスをきっかけにスパイスの香りに魅了され、その健康効果を知るうちに「食を通じて人の暮らしに貢献したい」という使命感が芽生えていきました。第5回熊本カレー王座決定戦 四天王の受賞歴を持ち、今はAI業務効率化アドバイザーとしても活躍する中村さんに、食と健康と仕事への思いを語っていただきました!

現在どのような活動をされているか教えてください。

熊本市中央区下通でCurry the ナカム〜ラを営んでいます。ランチタイムと夜の2部制で、夜は「歌って飲んで〆カレー」というコンセプトで、カラオケとお酒とカレーを楽しんでいただける空間を作っています。
並行して、AI業務効率化アドバイザーとしての活動も行っています。もともと建設業向けにAIを使った業務改善支援から始めましたが、今は他業種にも広がっています。
また毎週木曜日は、お店で食事をしながらAIについて気軽に話せる時間を設けていて、業種問わずどなたでも参加していただけます。

カレー店を始めたきっかけを教えてください。

役所を辞める前、仕事でいろいろとストレスを抱えていた時期があって。部屋のアロマの香りで気持ちが変わることに気づいてから、香りというものをすごく意識するようになったんです。そのうちスパイスの香りも気になり始めて、「自分でカレーを作ってみようか」というのがきっかけです。
作り始めたらのめり込んでいって、スパイスを調べていくうちにインドでは古くから薬として扱われていたことを知りました。
抗酸化作用など健康への効能がいろいろあると分かって、「ああ、カレーっていいんだな」という思いが強くなっていきました。もともと料理は好きだったんですが、カレーを本格的に作り始めたのは役所を辞める約1年前からです。

これまでの経歴を教えてください。

熊本市役所に31年間勤めていました。建築技術者として公共建築に携わってきて、51歳で退職しました。今年で退職して5年目になります。
役所を辞めた後、最初はランチ営業とデリバリー中心でやっていました。お客さんの意見を聞きながら少しずつスタイルを変えていって、カラオケとお酒とカレーを組み合わせた今の形にたどり着きました。2022年には第5回熊本カレー王座決定戦で四天王に選ばれました。スパイスの調合から仕込みまで自らこだわり抜いた一杯を提供しています。
AIについては、飲食と二刀流で挑戦したいという思いから1年半ほど勉強を重ね、今は建設業を中心に業務効率化の支援を行っています。

お店と事業を通じて大切にしていることを教えてください。

大きなコンセプトとして「食べ物を通して健康になってほしい」という思いがあります。
カレーを食べれば健康になるという単純な話ではなくて、スパイスを日常の食事に自然に取り入れることで、健康を意識するきっかけになってほしいということです。
小麦粉を使わないのもそのこだわりの一つです。市販のルウには小麦粉がたくさん入っていますが、うちはスパイスだけで作っています。飲んだ後に締めるカレーとしても、罪悪感が少なくなるような一杯を提供したいと思っています。
お客さんの意見を大切にすることも意識していて、美味しかったという声はもちろん、こうしてほしいという声もちゃんと聞きながら少しずつ形を整えてきました。

これまでで特に大変だったことを教えてください。

最初は「美味しかったらお客さんが来てくれるだろう」という気持ちで始めたんですが、それだけでは難しいと痛感しました。
飲食の世界は本当に大変で、今考えると当時の自分はあまり深く考えずに飛び込んだと思います。正直、今だったらやっていないかもしれない(笑)。
コンセプトの認知という部分も課題で、健康にこだわったカレーを作っていることや、〆カレーという文化を広めたいという思いが、まだまだお客さんに伝わりきっていないと感じています。来てもらって、実際に食べてもらって、「来てよかった」と思ってもらえる体験を積み重ねていくことが大事だと思っています。

活動を通じてどんな社会をつくっていきたいですか?

建築も、AIも、飲食も、根っこにある思いは同じで「人の暮らしをより良くしたい」ということです。建物を通じて人が安心して生活できる空間をつくってきた。
AIを通じて働く人の時間と余裕を生み出している。そしてカレーを通じて、食べることの豊かさと健康への意識を届けたい。一見バラバラに見えるこれらの仕事が、自分の中では一本の線でつながっているんです。
カレーはその手段の一つで、スパイスの力を生かした〆の文化を広げることで、熊本の夜の楽しみ方を変えていきたいと思っています。飲んだ後にラーメンで締めるのが当たり前だった文化を、身体にも優しい〆カレーへ。小さな選択の積み重ねが、結果として自分たちの健康につながっていく。そういう豊かな食文化を、熊本から発信していきたいと思っています。
「熊本へ行ったら最後は〆カレーを食べよう」——いつかそんな文化が生まれることが、今の一番の夢です。

これから挑戦したいことを教えてください。

今のお店のコンセプトをもっと多くの方に知っていただいて、夜の営業を中心に続けていけたらと思っています。カラオケとお酒と〆カレーを楽しむこの過ごし方を、熊本の夜の定番として少しずつ定着させていきたいですね。
新しいメニューの開発も進めていて、豆乳ベースの白い担々そばカレーのようなものを試作中です。十割そばを使うことで身体にも優しい一品にしたいと思っています。赤いカレーと白いカレー、夜限定で楽しんでいただけるような形にできたらと構想しています。
また毎週木曜日に開催しているAIの話ができる場も、業種を問わずもっといろんな方に来ていただきたいと思っています。カレーを食べながら気軽にAIの話ができる場所というのも、このお店ならではの面白さだと思っているので、そこも広げていきたいですね。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

カレー屋のオーナーというより、食文化を提案する人でありたいと思っています。スパイスには身体に嬉しい効能がたくさんあって、美味しく食べながら健康につながっていく。そういう食の楽しみ方を、もっと多くの方に知っていただけたら嬉しいです。
「歌って飲んで〆カレー」
熊本の夜の締め方として、ぜひ一度試しに来てみてください。カレーの話でも、AIの話でも、気軽に話しかけてもらえると嬉しいです。
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