インタビューヨガ九州・沖縄運動

ちゃんと息、吸えていますか?呼吸が変われば体も変わる。熊本・多良木町のいインストラクターが伝える健康の本質。【training&conditioning studio 和(なごみ)」主宰 簑田 由希子】

インタビュー

この記事の見どころ

⭐️体育⼤卒・元柔道部がヨガで「全くできなかった」その悔しさが全てのスタートに

  • ⼩中バレー、⾼校⼤学で柔道、⽇本体育⼤学卒業という体育のプロが、ヨガ2回で「習うなら教えるところまで⾏く」と決断。その⾏動⼒が今に続く。

⭐️ 「吸いながらポーズに⼊る」ヨガと真逆の呼吸法が冷え性を消した

  • ヨガとルーシーダットンの根本的な違いは呼吸法にある。吐きながらポーズに⼊るヨガと、吸いながらポーズに⼊るルーシー。その違いが体の内圧を変え、⾎⾏を促進する。冷え性が改善した⾃⾝の体験が確信に変わった。

⭐️ コロナ禍で⽉ 2 ⼈に。それでも辞めなかった理由

  • 1⽇20⼈来ていたスタジオがコロナで⽉2⼈に激減。でも「この 2⼈が私を⽀えてくれている」という気持ちが続ける原動⼒に。そこで⾒えた「本当にファンでいてくれる⼈を⼤切にする」という揺るがない軸。

⭐️ お寺でルーシー、企業で体ほぐし

  • 地域に根ざした活動の広がり、ルーシーダットンの創始者がお釈迦様の主治医だったという縁から、お寺でのレッスンが定着。先日は「座禅×ルーシー×精進料理」のリトリートは⼤好評。建設業の企業にも出張し、働く⼈の腰痛・肩こりにアプローチ

⭐️ 更年期で体を起こしていられないほどの不調を経験した指導者だから伝えられること

  • これだけ運動している⾃分でも更年期には心も体力も落ちていく。その実体験から「⼀般の⽅はもっと⼤変」と気づき、更年期以上の⼥性への発信を始めた。「諦めなくていい」を体で証明し続けてている。

Interview

「年齢や条件で、運動を諦めない場所」熊本県球磨郡多良木町を拠点に、ヨガ・ルーシーダットン・和ハーブの教室とインストラクター養成を行う「training&conditioning studio 和(なごみ)」を主宰する簑田 由希子(みのだ ゆきこ)さん。日本体育大学卒業、保健体育第一種免許・保育士資格を持ち、日本ルーシーダットン普及連盟スーパーバイザーとして熊本・鹿児島・宮崎に活動を広げています。20代〜80代が通うスタジオで、更年期女性から地域の高齢者、働く人たちの体づくりまで幅広く関わる簑田さんに、その歩みと思いを聞きました。簑田 由希子さんにインタビューしました!

中村

現在どのような活動をされているか教えてください。

蓑田さん

メインはルーシーダットンとヨガのレッスンで、自分のスタジオをはじめ毎日どこかでやっています。もう一つ力を入れているのがお寺での活動で、一つのお寺では毎週月曜日、もう一つのお寺では座禅と組み合わせた夜のレッスンを月2回開催しています。

先⽇は国の重要⽂化財のある阿弥陀堂を特別拝観させていただき、ルーシーダットンを1時間して、僧侶が⼿作り監修した精進料理をいただくというリトリートイベントも開催しました。
3時間のプログラムでしたが⼤変好評で、こういう⾮⽇常の体験とルーシーダットンを組み合わせる形はとても面白いと感じています。

他にもパーソナルトレーニング、企業への出張レッスン、生涯学習講座、インストラクター養成など、ルーシーを中心に幅広く活動しています。

中村

ヨガやルーシーダットンを始めたきっかけを教えてください。

蓑田さん

最初のきっかけはヨガです。
2人の子どもを育てる専業主婦をしていた時期、育児の不安で家に引きこもりがちだった私を、友人が「一緒にヨガに行こう」と連れ出してくれたんです。

体育大卒でずっとスポーツをしてきたから体には自信があったのに、全くできなかった(笑)。それが悔しくて、2回目のレッスンの後にはもう養成校に申し込んでいました。「やるなら教えられるレベルまで」というのが私の性格で、決断は早いんです。

ルーシーとの出会いはその後、ダイエットインストラクターの資格を取りに行った時に、同じ協会でやっていたのを受けてみたことで。
ゆっくりした動きなのに、その日ずっと体があたたかかったんです。冷え性だったのに。それがあまりに不思議で、そのままルーシーの養成講座にも申し込んでしまいました。

中村

これまでのキャリアを教えてください。

蓑田さん

 小中学校はバレーボールで主将を務め、高校から柔道に転向して県大会入賞・九州大会出場。日本体育大学体育学部では柔道漬けの毎日を送りました。
怪我も多かったですが、競技者として強くなりたい一心でした。大学卒業後は地元高校の非常勤講師として2年勤め、その後保育園の学童指導員に。

子どもたちがあまりにも可愛くて、そのまま保育士免許を取得して保育士としても働きました。40人の子どもたちを引き連れてプール・山・と駆け回る毎日でした。
結婚後は専業主婦に。そこでヨガと出会い、ルーシーダットンと出会い、今に至ります。千葉に移住していた期間もありましたが、2019年に生まれ故郷の熊本に戻り、今は球磨郡多良木町を拠点に活動しています。

中村

仕事で大切にしていることを教えてください。

蓑田さん

スタジオのコンセプトは「健康・成長・笑顔」の三つで、ここだけは絶対にぶれません。
大人になってから「成長する」という感覚を持ちにくくなりますが、80歳になっても成長してほしいという思いがあって、そこをいつも発信し続けています。
レッスンでは「なんとなくやる」を絶対にしないと決めていて、毎回メンバーを見てテーマを設定し、そのゴールに向かって1時間を組み立てます。繰り返しのレッスンに「飽きさせない自信がある」と思えるのは、言葉の工夫を積み重ねてきたから。オンラインで毎朝やっている15分レッスンが特に良い訓練になっています。15分でテーマを伝え切る密度を作る練習が、レッスン全体のクオリティを上げてくれています。

そして何より、好きなことしかしていないから生徒さんにもワクワクが伝わるんだと思います。生徒さんたちが一番の応援団でいてくれるのは、その相互作用だと感じています。

中村

これまでで特に大変だった経験や価値観が変わった出来事はありますか?

蓑田さん

コロナです。千葉から熊本に戻って、1日20人ほど来てくれていたスタジオが、コロナ禍に月2人になりました。
「もう授業できない」と思いましたが、その2人が来続けてくれて、しかも一番大変なコロナ対応をされていた公務員の方たちで。「この人たちのために絶対やめない」という気持ちが湧いてきました。

数ヶ月その2人と一緒に続けていたら、少しずつまた人が戻ってきて。その経験で、「なんとなく来ていた人」と「本当に好きで来てくれている人」がはっきり見えました。以来、目の前の方々を大切にすることを何より優先しています。
かっこつけずに、泥臭く基礎を繰り返して、目の前の人に向き合う。それが今のスタイルの原点です。

中村

活動を通じてどんな影響を与えていきたいですか?

蓑田さん

 特に更年期以上の女性に届けたいという思いが強くあります。私自身も更年期が来て、体が起き上がれない、気持ちも沈む、どんどん自信がなくなるという経験をしました。これだけ運動している自分でも落ちていく。だとしたら、運動習慣のない一般の方はどれほど大変かと思って。
「諦めなくていい、運動した方がいい」を自分の体で証明していきたいんです。

同時に、地域全体の健康の受け皿でありたいという思いもあります。大きなフィットネスクラブではなく、身近な場所で体を動かしたいという方も多くいらっしゃる。でも体を守りたい気持ちは変わらない。
そういう方たちの場所がなくなってしまったら、地域の健康を守る場所が本当になくなる。「ここに来るしかない」という場所でいたいと思っています。
上の世代が元気でいてくれるから私たち世代が働けている。その恩返しの気持ちも、活動の根っこにあります。

中村

これから挑戦したいことを教えてください。

蓑田さん

 今後5〜10年はこの活動を続けながら、その先は飲食も組み合わせたいという構想があります。運動と食事は切り離せないので、体づくりをサポートできる食の場。マッスル食堂的なイメージで作れたらと思っています。
地域のフィットネス市場は今まさに競合が増えていますが、私は「箱を増やす」よりも「自分が動く」スタイルを大切にしたい。企業への出張レッスンも広げていきたくて、働く人たちの腰痛、肩こりなどを含む不定愁訴の改善に、社員の健康が企業の成長につながることを実感してもらえる機会を増やしていきたいと思っています。

中村

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

蓑田さん

企業の方に伝えたいのは、働いてくれる人の体を守ることが、会社の健全な成長につながるということです。
若くて体が動くように見えても、腰痛や肩こりを抱えながら仕事をしている人はたくさんいる。呼吸が浅くなっていることにも気づいていない。

そしてすべての方に伝えたいのは、「息をちゃんと吸えていますか?」ということ。呼吸こそが健康の本質です。深く吸えて、楽に吐ける体を作っていくことが、体だけでなく心の安定にもつながります。
年齢や条件で諦めず、「今の体」を大切にしながら一緒に続けられる形を探していきましょう。

簑田 由希子さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
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