インタビューヨガ中国・四国運動

自分の人生に遠慮しない生き方を——言語聴覚士からヨガ講師へ、体の本質を伝え続ける理由

インタビュー

この記事の見どころ

⭐️「死ぬ時に後悔しない生き方」——父の言葉と、親友との別れが、今の活動の核心に

  • 周りで大切な人を見送る経験が続いた時期があった。父が「やり残したことがない」と語った言葉、親友を突然失った悲しみ——そういった経験が重なるうちに、「人と深くつながらないと、健康にもなれない」という確信が生まれた。ヨガや体質改善を届けているのは、その先にある「自分の人生に遠慮しない生き方」を、目の前の方と一緒に作りたい一心。

⭐️言語聴覚士から、ヨガ講師へ——「病気になってから直す場」から「健康の自立ができる場」へ

  • 病院で嚥下障害の患者さんに関わり、管理栄養士と一緒に嚥下食を開発してきた言語聴覚士(ST)としての経験が、宮谷さんのベースにある。病気になってから治す畑にいたからこそ、「ここにきて解決するより、健康を自立できる人を増やしたい」という思いが生まれた。夫の転勤と出産を機に退職し、産後の不調をヨガで乗り越えたことが、講師への転機になった。

⭐️解剖学に基づくヨガで届けるのは、「その人の体に合った動き」

  • 資格取得から約5年後、改めて解剖学に基づいたヨガへとたどり着いた。「死ぬ時に後悔しない生き方」という父の言葉と、周りでの別れを経験する中で、健康の本質を突き詰めていった先にあったのが解剖学だった。解剖学をベースにしているのは、同じポーズでも体の状態によって効果が異なるという現実があるからで、その人の体を見てアプローチを組み立てることを大切にしている。

⭐️お母さんが変わったら、お子さんも変わった——「ずっと続く健康」を届けたい

  • 長く通い続けてくれているお母さんの変化を何人も見てきた。食事が変わり、睡眠が変わり、気づいたらお子さんもスポーツに積極的になっていたという話も珍しくない。「無理なく変われる。自分が元気になって、できることが増えていく」——一時的な食事制限や体型改善ではなく、ずっと続けられる健康が宮谷さんの目指すビジョン。

⭐️「好きな人と好きなものを食べる体に」——健康を窮屈にとらえない哲学

  • 体質改善プログラムでは、食生活の改善を伝えることもある。しかし「その食生活をずっと続けなさい」と言い続けるつもりはないと語る。「好きな人と好きなものを食べる、その時間が豊かだったりするじゃないですか」——健康を一本の正解に縛らず、認め合い、尊重し合いながら広げていくという考え方が、宮谷さんの活動の根底にある。

Interview

「死ぬ時に後悔しない生き方を——そういう思いで活動しています」。そう語るのは、鳥取県米子市を拠点にヨガピースという屋号でヨガ・ピラティス教室と体質改善プログラムを届ける宮谷千夏さんです。言語聴覚士として病院で嚥下障害の患者さんに関わってきた経験が、「病気になってから治す場ではなく、健康を自立できる人を増やしたい」という思いへとつながりました。夫の転勤・出産を機に退職し、産後の不調をヨガで乗り越えたことが転機に。解剖学に基づいたヨガとピラティス、そして体質改善プログラムを組み合わせながら、ママや子どもたちに「ずっと続く健康」を届けています。宮谷 千夏さんにインタビューしました!

中村

ヨガピースでは現在、どのようなレッスンやプログラムを届けていらっしゃるんですか?

宮谷千夏さん

ヨガピース、心を潤すヨガという屋号でヨガ教室をやっています。中身としては、解剖学に基づいたヨガとピラティスが主軸で、もう一つが体質改善のプログラムをインナーケアとして掛け合わせてやっているという感じです。

参加してくださる方はママさんとお子さんがメインになっています。ヨガの資格を最初に取ったのが8年ほど前で、解剖学に基づいたヨガはここ3年ほどです。対面のみで行っていて、鳥取県米子市が活動拠点です。

中村

言語聴覚士として働かれていた宮谷さんが、ヨガの道へ進まれたきっかけを聞かせてください。

宮谷千夏さん

元々言語聴覚士(ST)をしていて、嚥下障害のある患者さんが多い病院で働いていたんですね。管理栄養士さんと一緒に嚥下食を開発したりと、病気になった人を治すという場でずっと仕事をしていました。

夫の転勤があった時に長女の妊娠と重なり、一旦退職して専業主婦になりました。3人の子どもを産んで転勤しながらという時期に、自分自身が産後の頭痛や体の不調を抱えて、ヨガを始めたんです。そこで救われたといいますか、一旦リセットできる感覚があって。それでヨガを仕事にしようと決めました。

最初は母が保育士だったので、末っ子が生まれた頃に早期退職してもらって、託児をしてもらいながらヨガをするというお母さんだけのクラスから始めました。

中村

言語聴覚士を目指した背景と、解剖学に基づくヨガへたどり着いた経緯を聞かせてください。

宮谷千夏さん

言語聴覚士を選んだのは、子どもの頃に療育施設の夏休みのイベントを手伝う経験があって、子どもに携わる仕事がしたいという気持ちがあったんです。コミュニケーションに関わりたいなということもあって、言語聴覚士の道を選びました。

解剖学に基づいたヨガにたどり着いたのは、父が「やり残したことがない」と言っていたことや、大切な人を見送る経験が続いた時期があって、「死ぬ時に後悔しない生き方」というテーマが自分の中に大きくなっていったことがきっかけです。健康の本質を突き詰めていった先に、解剖学があったという感じですね。同じポーズでも体の状態によって効果が異なるので、その人の体をちゃんと見てアプローチを考えることが大事だと思っています。

中村

活動を通して、宮谷さんが大切にしていることは何ですか?

宮谷千夏さん

関わってくださった方が「どうなりたいか」を一緒に考えることを大切にしています。健康になること自体が目的ではなくて、健康になったその先に何があるか、というところが大事だと思っていて。

体質改善のプログラムでも、その時だけ食事のバランスを整えましょうという話をすることはあっても、その食生活をずっと続けなさいと言い続けるつもりはないんですよ。好きな人と好きなものを食べる——そういう時間の豊かさも大切で、健康というものを一本の正解に縛らずに、認め合い尊重し合いながら広げていきたいと思っています。

中村

これまでの活動の中で、特に心に残る困難や向き合ってきた課題はありましたか?

宮谷千夏さん

大切な人を続けて見送る経験があった時期があって、人と深く関わることが怖くなった時期がありました。でも、その経験を経て「人と深くつながらないと、健康にもなれない」という確信が生まれて。一回のご縁も大事にしていきたいという気持ちが、今の活動の根っこになっています。

もう一つの課題は、対面でやることの良さをSNSで伝えていく難しさです。動画や無料のコンテンツがたくさんある中で、なぜ足を運んで対面でやることに価値があるのかを、言葉で伝えていくのはなかなか難しいと感じています。でも、その過程の中でしか生まれない豊かさというものがあると信じているので、これからも伝え続けていきたいと思っています。

中村

活動を通して、これからどんな健康のあり方を広げていきたいですか?

宮谷千夏さん

病気になってから来て解決するのではなく、健康を自立できる人を増やしていきたいと思っています。言語聴覚士として病気になった人を治す畑にいたからこそ、その前の段階に関わる仕事がしたいという思いが強くなりました。

長く通ってくださっているお母さんが変わって、お子さんも変わっていく様子を何人も見てきました。食事が変わり、睡眠が変わり、気づいたらお子さんがスポーツをするようになったとか。無理なく変われる、自分が元気になってできることが増えていく——そういう「ずっと続く健康」を届けていきたいと思っています。

健康という分野で同じ思いを持っている仲間と、思いを分かち合い、共感し合いながら、大人も子どもも元気な人が増えていく世の中にしていけたらという気持ちで活動しています。

中村

これから先、子どもたちの未来に向けて、どんなことを形にしていきたいですか?

宮谷千夏さん

10年後ぐらいには、今の子供たちが大きくなった時に「自分の人生に遠慮しない生き方をしてほしい」というのが、一番大きな夢です。教室のテーマでもあるんですが、健康事業を通じて、子供たちの未来に関わる何かに貢献したいという気持ちがあります。

病気になってから直すのではなく、健康を自立できる人が増えていく社会——それを、まずは自分の目の前にいるお母さんたちから広げていきたいと思っています。お母さんが変わったら、お子さんも変わる。その連鎖が、10年後の子供たちの生き方につながっていくと信じているので。形はまだ分からないですが、そういった大きな流れに関わっていけるような仕事をしていきたいと思っています。

中村

最後に、同じ思いで健康に向き合う読者へ、伝えたいことをお願いします。

宮谷千夏さん

この世の中のために、誰かのためにと動いていらっしゃる方が健康分野にはたくさんいると思っていて、同じような志を持っている仲間がいるということが、私はこれからすごく求めていることでもあるんです。

それぞれ色々な分野があるとは思うんですけど、健康というところで思いを分かち合ったり、共感し合ったりしながら、大人も子どももみんな元気な人が増えていったらいいなと願っています。気負わず、自分の人生に遠慮せずに生きていただきたいです。そういう仲間と一緒に活動していけることを、楽しみにしています。

宮谷 千夏さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!

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