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おばあちゃんになるまでに、貧血の正しい知識を日本中へ【貧血専門家・渡辺綾さんの挑戦】

インタビュー

この記事の見どころ

⭐️6ヶ月の寝たきり、27件の病院巡り。壮絶な闘病体験が活動の原点

  • うつ・パニック障害・自律神経失調症と診断され続けた渡辺さんが、海外論文をきっかけに「隠れ貧血」という答えにたどり着くまでの、リアルな当事者体験。

⭐️ 「落ち込まなくなった」ことに本気で悩んだ日

  • 貧血が改善されるにつれ、ずっとネガティブだと思っていた自分の性格が一変。遺伝子検査で「落ち込まない遺伝子」を持つことが判明し、貧血と心の関係の深さを実感。

⭐️ 鉄は”最後”に登場する。一般常識を覆すアプローチ

  • 貧血=鉄分補給、という常識に反し、タンパク質・亜鉛・ビタミンB12・葉酸など栄養の順番を整えてから鉄を補う独自のサポート法。栄養学的な血液検査の読み方が鍵。

⭐️ コーチング2000名以上の実績。アメリカ発の栄養療法をベースに

  • 回復後に勤めたアメリカの栄養療法企業で、食事だけでメンタルを改善するチームのリーダーも経験。そのノウハウをそのまま貧血支援に応用している。

⭐️  「おばあちゃんになるまでに、日本を変えたい」。壮大なビジョン

  • 健康診断にフェリチン検査が当たり前に加わる社会を目指し、一般市民への認知拡大と、貧血を正しく広められる人材育成の両輪で活動を続けている。

Interview

看護師・保健師の資格を持ちながら、「貧血専門家」として貧血専門のカウンセリングや情報発信、コミュニティ運営、セミナー講師など幅広く活動する渡辺綾(わたなべ あや)さん。コーチング実績は2000名以上、2024年には監修サプリも発売。その活動の原点には、自身が6ヶ月間の寝たきりを経験し、27件の病院を渡り歩いてようやく「隠れ貧血」という答えにたどり着いた、壮絶な体験がありました。渡辺綾さんにインタビューしました!

中村

現在どのような活動をされているか教えてください。

渡辺さん

貧血に特化して、個別のカウンセリングや、セミナー講師として呼んでいただいてのお話、貧血改善に取り組む方々のコミュニティ運営などをしています。
昨年からは監修したサプリメントも発売になりました。貧血という一つのテーマに絞って、いろんな形でお届けしているという感じです。

中村

貧血に特化した活動を始めたきっかけは何だったのですか?

渡辺さん

10年ほど前に、私自身が6ヶ月間の寝たきり生活を送っていたんです。当時は原因が全くわからなくて、うつ病やパニック障害、自律神経失調症と診断を受け、体調も精神的にも限界の状態でした。

「原因不明なわけがない」と思って海外論文を調べていたところ、フェリチン値(貯蔵鉄)が異常に低いことが身体に深刻な影響を与えるという情報にたどり着きました。それが「隠れ貧血」を知ったターニングポイントで、そこから論文を持参して27件の病院やクリニックを渡り歩きました。
最後の1軒でようやく理解ある医師と出会い、「隠れ貧血によるうつ症状」という診断をいただいて。そこから栄養で回復していく経験をしたことが、全ての始まりです。

中村

回復までにはどのくらいかかりましたか?

渡辺さん

1年半ほどかかりましたね。同世代と同じように働いて生活できるようになるまで、それだけの時間が必要でした。でも、回復してから面白いことがあって。フェリチン値が100を超えたあたりで、「落ち込まなくなった」ことに本気で悩んだんです(笑)。

子どもの頃からずっと「自分はネガティブな人間だ」と思って生きてきたのに、貧血が改善されたら気持ちが全然違う。
後で遺伝子検査をしたら、落ち込みにくい遺伝子を持っていることが分かって。貧血が治って初めて、本来の自分に出会えたという感覚でした。

中村

もともと看護師として働かれていたんですね。

渡辺さん

はい。
もともと児童精神科で働いていたんですが、実は自分の原因を知りたくて選んだ道なんです。中学1年生の頃に初めて精神病棟を受診して、自律神経失調症と診断されていたのですが、振り返ればあの頃からすでに貧血だったんですよね。
「看護師になれば答えが見つかる」と思って進んだのに、そこには答えがなくて。

中村

回復後の職場がアメリカの企業というのも驚きでした。

渡辺さん

回復後に再就職したのが、アメリカの栄養療法を扱う企業で。オックスフォードで博士号を取得した研究者たちがプログラムを作った会社で、日本にいながらオンラインで勤めていました。

そこで食事だけでメンタルを改善したり、ダイエットをサポートする仕事をしていて、最終的にはそのチームのリーダーも担当させていただきました。そこでのコーチング経験をそのまま貧血支援に応用しているのが、今の活動の土台になっています。

中村

活動の中で特に大切にしていることを教えてください。

渡辺さん

 一番大切にしているのは、「納得してもらうこと」 です。
ダイエットでも、「やせろ」と言われてもなかなか動けないじゃないですか。
でも
「これをすればこう変わる」
「この症状はこれが原因だ」と
自分で腑に落ちた時に初めて、人は自分からアクションを起こせる
。貧血の改善も全く同じで、まず「なぜ自分はこうなっているのか」を理解してもらうことを大事にしています。
心から「元気になりたい」と思ってもらえるかどうか
そこが変わらないと、どんな食事指導も続かないんですよね。

中村

活動の中で特に大切にしていることを教え活動していく中で、難しいと感じることはありますか?

渡辺さん

 最初は
「私、貧血の症状なんてないですよ」とおっしゃる方がとても多いんです。

貧血のイメージって、立ちくらみやめまいくらいですよね。でも実際は、うつ症状・パニック・頭痛・夕方の強い倦怠感・乗り物酔いなど、思いもよらない症状が貧血と結びついていることがあって
症状のリストをお見せすると、「これも、あれも全部当てはまります」と驚かれることが多いです。

また、同業者の方にも壁があります。「教科書に書いてあることが正解」という前提を変えてもらうのは難しい。でも、私自身も海外論文に手をつけなければ気づけなかったわけで、目の前の情報がすべてじゃないということを伝え続けることが、今の自分にできることだと思っています。

中村

活動を通じて、社会にどんな影響を与えたいですか?

渡辺さん

 私の最終ビジョンは、「おばあちゃんになる頃までに、貧血の正しい理解が日本全体に行き渡ること」 です。

そのために今、二つの軸で動いています。
一つは一般の方への認知拡大。
もう一つは、貧血を正しく広めることができる人を全国に増やしていくこと。講座の卒業生の方がすでに独自のサロンで情報を広げてくださっていたり、少しずつ形ができてきています。

最終的には健康診断にフェリチン検査が当たり前に含まれる社会にしたいと思っています。心療内科に通っている方の約7割が鉄不足という研究結果もあって、うつ症状の背景に貧血がある場合、それは栄養で改善できるんです。「治らない病」ではなく「直せる状態」として捉えなおせたら、休職者も減り、社会全体が変わると思っています。

中村

これから挑戦したいことを教えてください。

渡辺さん

医師や研究者の方たちが医学界の中から変えようとしてくれているので、政治的な部分はそちらにお任せして、私は一般の方の認知拡大の一助を担えたらと思っています。今年は栄養精神医学の学会で論文発表もさせていただく予定で、少しずつ専門家とも連携が広がっています。
個人でできることには限界があるので、仲間を増やしながら、貧血で苦しむ方が「私だけじゃなかった」「改善できるんだ」と思える社会をつくっていきたいです。

中村

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

渡辺さん

一言で言うなら、「常識が常識じゃないこともある」 ということです。
貧血といえばヘモグロビン値で判断する、ほうれん草とレバーを食べればいい・・・
そういった”常識”が、実は古い情報であることが多い分野なんです。医療・栄養に関わる方には、ぜひ最新の情報を学び続けてほしいと思います。目の前にある情報がすべてではありません。

そして企業の方や経営者の方には、社員のうつ症状や休職の背景に、貧血という栄養の問題が隠れている可能性があることをお伝えしたいです。精神の病と思っていたものが、栄養で改善できる状態だとしたら・・・そこを見直すだけで、職場の景色が変わるかもしれません。難しいことではなく、できることは意外とシンプルです。ぜひ一緒に考えていただけたら嬉しいです。

渡辺 綾さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
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