インタビューケア九州・沖縄整体

「その痛み、諦めていませんか?」理学療法士・乾さんが伝えたい”体と向き合う大切さ”【いぬい整体院 院長 乾貴博】

インタビュー

この記事の見どころ

⭐️ 中学時代の膝の怪我と、必死に支えてくれた理学療法士との出会いが原点

  • 大会直前の怪我で手術・入院を余儀なくされた中学生が、リハビリを通じて「自分もこういう存在になりたい」と決意した瞬間。その原体験が、今も乾さんの仕事観の根底にある。

⭐️ 総合病院・整形外科クリニックで積み上げた、幅広いリハビリの経験

  • 寝たきりだった患者さんが杖をついて自宅へ帰れるようになった瞬間の感動。「病気になる前に防げた」という声が、予防への思いを強くしていった現場の日々。

⭐️ 「触れるだけでも変わる」。シナプス療法との出会いが施術の哲学を変えた

  • 慢性症状への改善が難しいと感じていた時期に出会った、脳・神経へアプローチする手技。身体の司令塔である「脳」と「神経の働き」に着目した根本アプローチへの転換点。

⭐️ 好きなことを諦めないでほしい。「やりたいことができる体」を取り戻す施術

  • 「痛みがあるからやめてしまった」という声をよく聞くからこそ、一人ひとりの状態に合わせた引き出しを持ち続ける。その人にとって最適な方法を選んで提供するという考え方。

⭐️ 70歳、80歳になっても現場に立ち続けたい。生涯をかけた使命

  • 「最後まで好きなことができた人生だった」と思ってもらえる関わり方を目指す、乾さんの長期的なビジョン。

Interview

「その痛み、諦めていませんか?」——熊本市で整体院を営む乾貴博(いぬいたかひろ)さんは、理学療法士として総合病院・整形外科クリニックでのキャリアを経て開業した院長です。中学時代の膝の怪我とリハビリの経験を原点に、脳・神経へのアプローチによる根本改善を軸に、慢性的な痛みや「いろんなところに行ったけど変わらなかった」という方に寄り添い続けています。「身体の不調でやりたいことを諦める人を一人でも減らしたい」という想いを胸に歩んできた乾さんに、その歩みと想いを伺いました。

中村

現在の活動について教えてください。

乾さん

現在は整体院を開業しています。
来られる方は、慢性的な痛みがあったり、「いろんなところに行ったけど変わらなかった」という方が多いです。そういった方に対して、その場しのぎではなく、根本的に体が変わるような施術を行っています。最終的には、日常生活の中で「やりたいことができる体」を取り戻してもらうことを目指しています。

一番の特徴は、脳や神経へのアプローチです。身体を動かす司令塔である「脳」と、全身に指示を伝える「神経の働き」に着目した施術を行うことで、体が変わりやすい状態を作っていきます。強く押したり無理に動かすことはせず、やさしい刺激で時間をかけて身体に働きかけます。結果として、痛みが軽減したり、体が動かしやすくなったりします。

また、自分の体に意識を向けてもらうことも大切にしていて、「どう動いているのか」「どう使っているのか」を感じながら行う体操も取り入れています。
単に施術を受けるだけでなく、自分の体を理解してもらうことも重視しています。

中村

開業に至ったきっかけを教えてください。

乾さん

整形外科クリニックで慢性的な腰痛や首の痛みを抱える方のリハビリを担当していた頃、改善が難しいケースを多く経験していました。そんな時、体を優しい刺激だけで改善させる先生の技術に触れ、「シナプス療法」という手技に出会いました。
身体の表情が明るく変わり、生活が楽になっていく過程を目の当たりにして、手技の奥深さと可能性を実感しました。

また、自分自身も社会人になってからサッカー中に膝の骨折を経験していて、改めて「怪我をしない体づくり」の重要性を実感していました。
「身体の不調でやりたいことを諦める人を一人でも減らしたい」という想いが強くなり、開業を決断しました。

中村

理学療法士を目指したきっかけと、これまでのキャリアを教えてください。

乾さん

番大きかったのは、自分の怪我ですね。
小学3年生からサッカーを始め、中学・高校ではキャプテンを務めていたのですが、中学生の時に大会直前に膝の怪我で手術・入院を余儀なくされました。「もう試合に出られないんじゃないか」と思うくらい絶望的な状況でした。
そのリハビリを担当してくれた理学療法士の方が、「何とか大会に間に合わせよう」と必死に支えてくれました。自分のために本気で向き合ってくれたその姿に胸を打たれ、「自分もこういう存在になりたい」と強く思ったことが、医療の道を志す原点になりました。

西日本リハビリテーション学院で理学療法学科を卒業後、熊本市内の総合病院に入職。
膝関節の手術後のリハビリから、脳梗塞、パーキンソン病、人工呼吸器管理が必要な方まで、幅広い患者さんを担当しました。特に脳梗塞後の患者さんの改善が思うように進まず悩んだ時期もありましたが、書籍を読み漁り、勉強会に参加し、経験豊富な先輩の技術を学びながら徹底的に追究しました。

寝たきりだった患者さんが杖をついて自宅へ帰れるようになり、「帰れるなんて思わなかった。ありがとう」と涙ながらに伝えられた瞬間は、今も忘れられません。
その後、整形外科クリニックへ転職。休日にはサッカーチームのトレーナー活動にも携わり、熊本市とロアッソ熊本が連携した健康支援プログラム「ロアッソウェルネスプログラム」にも参加するなど、予防・回復支援の両面から経験を積んできました。

中村

仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

乾さん

一番は「好きなことを諦めないでほしい」という想いです。
実際に患者さんと話していると、「痛みがあるからやめてしまった」という声をよく聞きます。本当はやりたいのに、体のせいで諦めてしまうのはすごくもったいないと思うので、そういう人を一人でも減らしたいですね。
そのためにも、しっかり話を聞いて、その人にとって最善の方法を提案することを大切にしています。

以前は「これが一番いい方法」と一つに絞って考えていたんですが、今はそうではないと感じています。人によって状態も違えば、合う方法も違うので、いろんな引き出しを持っておくことが大切。その中から、その人にとって最適なものを選んで提供するという考え方に変わってきました。

中村

これまでの中で大変だったことを教えてください。

乾さん

 開業してからは、「自分を知ってもらうこと」が一番大変でしたね。いい施術をしていても、それが伝わらなければ意味がないので、どうやって価値を届けるかは今も試行錯誤しています。
また、情報を学び続けて、それをどう分かりやすく伝えるかという点も難しさを感じています。
現在も毎月セミナーに参加し、知識と技術のアップデートを欠かさず続けています。

中村

活動を通じてどんな影響を広げていきたいですか?

乾さん

一番は「予防の意識」を広げていきたいです。
どうしても、悪くなってから対処する人が多いんですけど、本来はその前に防ぐことができるケースも多い。

「病気で倒れる前に何とかならなかったのか」「健康に気をつけておけば良かった」という声を聞くたびに、その思いが強くなります。
一人ひとりが健康について考えるようになることで、結果的に医療費や社会保障の負担も変わってくると思います。

中村

これから挑戦したいことを教えてください。

乾さん

 年齢に関係なく、ずっとこの仕事を続けていきたいですね。
70歳、80歳になっても現場に立って、関わる人が元気に過ごせるようにサポートしていきたいです。
「最後まで好きなことができた人生だった」と思ってもらえるような関わり方をしていきたいですね。

中村

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

乾さん

 患者さんと話していると、「もっと早く気づいていればよかった」と言われることが多いです。
なので、今からでもいいので、自分の体に目を向けてほしいですね。「今日は調子がいいな」「ちょっと違和感があるな」、そういう小さな気づきを大切にするだけでも、体は変わっていきます。これは職種に関係なく、すべての人に大切なことだと思うので、ぜひ意識してもらえたら嬉しいです。

乾 貴博さん、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
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