この記事の見どころ
⭐️部活動の疑問と図書館で出会った一冊。管理栄養士への道が開いた瞬間
- 体格の個人差や情報の矛盾を自力で解明したくて手にした栄養学の本。知識が自身の身体に直結するリアルな感覚に引き込まれ、スポーツ栄養学の研究室へ進んだ原点。
⭐️ 我慢して痩せた人の「心の中」。数字の成功が必ずしも本当の変化ではない
- 体重は減っているのに「好きな食べ物=悪いもの」という不安だけが残る。その経験が「好きなものと自分を味方にしながら心ごと変わる」という哲学の根幹になった。
⭐️ 「お酒はもうだめですよ」。病院実習の悔しさがトレーナーの道を開いた
- 肝硬変の患者さんに指導用紙を見ながら禁酒を告げるだけ。「知識が人を救えていない」という悔しさが、まだ改善できる段階の方に深く寄り添えるパーソナルジムへの転機になった。
⭐️ 正論より「日常への寄り添い」——人気トレーナーの共通点は知識量ではなかった
- 外側の知識より、お客様の行きつけの外食先・通勤ルート・推し活まで把握する「内側の知識」こそがコミットにつながると気づいた、新人時代の転換点。
⭐️ 「お酒を飲みながら痩せた方が、絶対に面白い」。大好物両立選手権という新しい価値観
- 禁酒より緩やかでも、幸せそうな表情を見られる方がいい。ダイエットを「我慢選手権」から「大好物両立選手権」へ。柴田さんが業界の常識に挑む理由。
Interview
「ダイエット=自分と戦う我慢選手権」では、痩せても心に不安が残ると知った。愛知県岡崎市で個人ジム「隠れ家ジムアンティーク」を営む柴田 渉さんは、元 RIZAP チーフとして活躍し、管理栄養士兼パーソナルトレーナーとして現在では累計10,000回以上の指導を経験。大手パーソナルジムで感じた「大手では、寄り添いきれない人がいる」という葛藤を胸に独立し、一人ひとりのライフスタイルに合わせたサポートを続けています。
短期間で大変身が多いダイエット業界で、「3ヶ月後だけでなく、1年後も変化を」。そんな信念のもと、地域に根ざした存在として歩み続ける柴田さんに、これまでの歩みと想いを伺いました。

現在、どのような活動をされているか教えていただけますか?

もともと RIZAP に勤めていたのですが、独立して今年で6年目になります。愛知県岡崎市で、一軒家を活かした隠れ家的なパーソナルジムアンティークを運営しています。
RIZAP にいた頃は、一人で月40人ほどのお客様を担当していました。数字としては多くの方をサポートできていましたが、それだけの人数を抱えると、どうしても一人ひとりの生活リズムや心の変化まで細かく拾いきれない。
「もっと深く関わればもっと良い結果が出せるのに」という悔しさが、常につきまとっていました。また、2ヶ月で30万円以上という価格帯のコースは、スタートしたくてもできない方も多く、広告費や家賃を抑えれば半額ほどで同等のサービスが提供できると気づいたことも、独立を後押ししました。
現在は担当人数を絞り、3ヶ月という期間の中で、好きな食べ物も取り入れながら結果を出すことを大切にしています。
「我慢したから痩せた」ではなく、「好きなものも食べたのに痩せた!」という体験こそが、1年後も変化が続く本当の成功だと考えているからです。
コースも一ヶ月単位の更新なので、「まず試してみたい」という方でも始めやすく、続けるかどうかはご自身の体験と納得で決めていただけます。成果を感じたから続ける、というシンプルな関係でいたいと思っています。

管理栄養士を目指したのはどのようなきっかけだったのでしょうか?

きっかけは、部活動に打ち込む中で、みんなが一生懸命トレーニングしているのに体格に個人差が出る疑問や、ネット情報の矛盾を自力で解明したいと思ったことです。
そんな模索をしていた頃、受験勉強のために通っていた図書館でふと手にした栄養学の本が、驚くほど面白くて。
書かれている知識のすべてが自身の身体や過去の経験に直結するリアルな感覚に一気に引き込まれました。学ぶほどに新しい発見があり、もっと深くこの分野を究めてみたいと思い、スポーツ栄養学の研究室がある近畿大学の農学部食品栄養学科に進みました。

トレーナーの道を目指されたのはどのようなきっかけだったのでしょうか?

大学の先輩が RIZAP に入社されていて、その方が全国で1〜2位を争う人気トレーナーとして活躍されていたんです。同じ研究室で学んでいた先輩があれだけ活躍しているなら、という気持ちもあって志望しました。
実はもともと管理栄養士として病院に進むことも考えていました。
大学の病院実習で、肝硬変の患者さんにお酒の制限を伝える場面があったのですが、指導用紙を見ながら「お酒はもうだめですよ」とお伝えするだけ。あれだけ時間をかけて学んできた知識が、現場ではお酒を飲みたい患者さんを救えてないという悔しさがありました。
RIZAP に入社した先輩に相談したところ、パーソナルジムには肝硬変ではなく脂肪肝の段階、つまりまだ食事・運動・生活習慣で数値を改善できる方が多く、より深く寄り添える環境だと聞き、入社を決めました。
今では管理栄養士の知識を軸に、生涯トレーナーとして活躍したいと思っています。

仕事の中で大切にされていること、他とは違うと感じる部分を教えてください。

僕が手放したのは、業界の常識である「3ヶ月」「正論」「我慢」という3つの言葉です。
まず、目先の「3ヶ月」ではなく「1年後にどうなっているか」を見据えること。SNSには劇的なビフォーアフターが溢れていますが、1年後もその変化が続いていることこそが本当の成果だと考えています。
次に、カロリーや数字といった「正論」を押し付けるのではなく、お客様の体重の変化と心の声を丁寧に受け取ることです。
定期的なカウンセリングに加え、食事サポートプランの方にはご自宅に家庭用体組成計を設置していただき、体重・睡眠時間・生活リズムが自動で記録される仕組みを導入しています。数字だけでは見えない「生活の文脈」まで汲み取れるようにするためです。
最後は「我慢」です。僕が管理栄養士として学んできた知識は、「お酒は禁止」と伝えるためではなく、「お酒を飲みながらなら、どう工夫していくか」を形にするために使いたい。「お酒を取り入れながらでも痩せた!」という感動のほうが絶対に面白い。
お客様には、そんな困難だけどワクワクする方の未来を、一緒に選んでほしいと思っています。

これまでの経験の中で乗り越えてきたことや、価値観が変わったエピソードはありますか?

新人トレーナーの時、RIZAP で「お客様を大満足に導くトレーナーの共通点」を必死に探した時期があります。
気づいたのが、栄養学などの「外側の知識」を詰め込むことよりも、目の前のお客様を徹底的に知る「内側の知識」こそがお客様のダイエットのコミットに繋がるということでした。
お客様がよく行く地元の外食先をリサーチしたり、通勤ルートやよく使うスーパーを把握したり、推し活や趣味などの心を満たすことまでを深く理解する。正論の押し付けでは人は変わりません。どれだけ相手の日常に寄り添えるかが何よりも大切と学びました。
たとえば、お酒が大好きなお客様の場合。無理に禁酒は勧めず、お酒を飲みながらでも痩せる組み合わせを一緒に探します。3ヶ月後の体重の変化は禁酒と比べると緩やかですが、「お酒を飲みながら痩せられた!」と幸せそうな表情を見られるのがすごく嬉しいんです。
一方で、すべてを徹底的に我慢した方は、体重が減っているにもかかわらず、3ヶ月が経つ頃には「自分の好きな食べ物=悪いもの、太るもの、もう食べてはいけないもの」という気持ちを抱えていることがありました。数字の上では成功なのに、心の中には不安と制限だけが残っている。それは本当に「変われた」と言えるのだろうか、とずっと感じていました。
その経験が、今の自分の根幹にある考え方を形づくりました。「我慢することで体型を手に入れる」のではなく、「好きなものと自分を味方にしながら、心ごと変わっていく」。そのプロセスにこそ、長く続く変化が宿ると確信しています。

活動を通じてどんな影響を広げていきたいか、また今後の展望を教えてください。

「大好きなものを諦めずに、自分の身体を変えられた」というあの感動を、もっと多くの人に味わってほしい。
病院の栄養指導や大手パーソナルジムのマニュアルでは寄り添いきれない一人ひとりの声を、しっかり受け取りたい。そのために、岡崎市を中心にSNSも活用しながら、「ダイエット=自分と戦う我慢選手権」という古い価値観を塗り替え、「ダイエット=自分を味方にする、大好物両立選手権」という考え方を広く届けていきたいです。
これまで累計10,000回以上の指導を積み重ねてきた経験を土台に、大手ジムや病院、AIには真似できない温かいサービスをしたい。お客様から、1年後に「あの時、柴田さんに会えて本当に良かった」と言ってくれる人を愛知岡崎市を中心に増やしたい。生涯、現場に立ち続け、目の前のお客様に確かな価値を提供し続けることが僕の目指す姿です。

最後に、読者の方々へメッセージをお願いします。

「ダイエットは、「自分と戦う我慢選手権」ではありません。
ダイエットとは、「自分を知り、好きな食べ物を味方にして、体も心も軽くするためのもの」です。
自己流で困ったら、一人で悩まずに、ぜひ僕を頼ってください。愛知県岡崎市を中心に、体型や健康診断の不安にも寄り添えるトレーナーとして、これからも目の前の一人に全力で伴走していきます。1年後、その先の未来で「あの時、柴田さんに会えて本当に良かった」と言っていただけるよう、日々自分のできることを一生懸命に取り組みます。

