この記事の見どころ
⭐️野球での怪我が理学療法士への道を開いた
- 中学2年で経験した骨盤の剥離骨折。リハビリで出会った理学療法士の姿が、この道を選ぶ原点になった。
⭐️ 病院勤務は計画的な迂回路だった。最初からトレーナーを目指していた理学療法士
- 新卒でトレーナー系への応募はスキル不足で叶わず、まず理学療法士としてキャリアを積む道を選んだ。型にはまらない独立への軌跡。
⭐️ ジムに通えない9割の人に届けるために外へ出た
- 運動が必要と分かっていても動けない人が大半。「施術を入り口にすれば受け身で始められる」という発想の転換。
⭐️ 「点ではなく線で関わる」。サブスク型で生涯伴走するスタイル
- 回数券ではなく顧問契約のような関係。不調があろうとなかろうと横にいる存在を目指す理由。
⭐️ 経営者の体を守ることが、組織と日本経済を守ることにつながる
- 痛みや不調は経営判断にも影響する。トップのコンディションを守ることへの、本気の使命感。
Interview
「予防して健康な状態になれば、もっと挑戦できる人が増える。心の内側から燃えてくるものを、みんなが持てる社会にしたい」理学療法士として経営者向けの出張コンディショニングサービスを展開する小川 塁(おがわ るい)さんは、そう話します。昨年10月にCoreWellnessを設立。施術・トレーニング指導・栄養管理を組み合わせた「顧問型」のサポートで経営者層に寄り添いながら、予防医療を日本に広めることを使命に活動しています。小川塁さんに、その歩みと想いを伺いました。

現在の活動について教えてください。

今はCoreWellnessという会社を2024年の10月17日に立ち上げまして、経営者の方に向けた出張のコンディショニングサービスをやっています。
施術・整体のようなこともやりますし、トレーニング指導も、栄養管理の指導もしますし、健康や体に関わる部分のサポートをしています。特に社長の方が多いですね。そういった方に向けてサポートさせていただいているのがメインの事業です。
出張エリアは、渋谷・新宿エリアと銀座・東京駅エリアを基本としています。
僕のスタイルは、一生を見ていくというスタイルなのです。
顧問弁護士や顧問税理士を雇うような感覚で、不調があろうとなかろうと横にいますよ、という立ち位置なので、回数券ではなくサブスクでいただいています。
施術だけでなく、ビジネスのご紹介やサポートもします。その人にとって一番最適なことがフェーズによって変わってくるので、目の前の人がどういうことを期待しているのかを慎重に見ながら、寄り添うことを大切にしています。

現在の形に至るまでの経緯を教えてください。

最初はパーソナルジムを間借りして、スポーツジムの会員さんに対してトレーニング指導をしていました。
ただ、日本でジムに通っている人は一割にも満たないと言われていて、そもそも運動意欲がある人にしか届いていないという矛盾を感じていました。
運動が健康のきっかけになると思っているのに、最初から運動している人にサービスを提供しているのはおかしいなと。
それで交流会に出て、いろんな方に「トレーニングはしますか?」と聞いてみると、必要だと分かってはいるけど動けないという方がほとんどで。
パーソナルトレーニングってきつそうというイメージもあって、ハードルが高いんですよね。そこで考えたのが、まず施術から入るということでした。
受け身でいいので、みんな「それなら受けてみたいな」となる。施術をきっかけに関係を作りながら、そこからトレーニングや栄養管理へとつなげていく、今の形になっていきました。

理学療法士を目指したきっかけを教えてください。

これはもうあるあるなんですが、野球をやっていて怪我が多かったんです。鳥取県出身で、小学2年生から野球を始めて高校3年生の夏まで続けていました。一番大きかったのは中学2年生のときの怪我で、試合中に一塁へダッシュした瞬間に上前腸骨棘(骨盤の出っ張り部分)の剥離骨折を経験しました。全治約3ヶ月。
そのリハビリ期間に理学療法士や治療家の先生に本当によくしていただいて、スポーツに携わりながら夢を諦めないようにサポートできる職種っていいなと感じて。それが理学療法士を目指したきっかけです。
資格取得後は一般的な理学療法士のキャリアを一年半ほど歩みましたが、正直なところ最初から「ここで長く働くつもり」はなかったんです。
99%の理学療法士が歩む病院・施設・クリニックという道ではなく、好きなことをそのまま仕事にしたいという気持ちがずっとあって。早いうちからトレーニングや予防の領域でやっていきたいと思っていました。二年目の夏頃に、勤めていた職場をアルバイトにしてパーソナルジムでもアルバイトを始め、トレーナーとしてのスキルを積んでいきました。2023年2月に個人事業主として独立し、そこからずっと活動を続けています。

仕事を通じて大切にされていることを教えてください。

以前は自分の強みである施術やトレーニングを前面にアピールしていました。
しかし今は「目の前の人にどうやったら役に立てるか」を一番に考えています。整体屋さんだと整体しかできないから、体は変わらないままずっと通い続けないといけない。
でも本人のことを思うと、そのフェーズによって必要なことは変わってくるはずなんですよね。
施術が必要なときもあれば、トレーニングのフェーズもあるし、栄養管理や生活習慣の見直しが必要なときもある。その人が一番何を期待しているのかを慎重に見ながら、サービスを届けるようにしています。
大切にしているのは「点ではなく線で関わる」ということです。整形外科では保険適用の制限があり長期的な関わりは難しいし、担当制でないジムでは毎回違うトレーナーが対応することになる。前回との比較もできなければ最適な提案も難しい。
それは本質的じゃないと感じていて、だからこそ一人のお客様に継続して関わり続けられる仕組みを作ることにこだわっています。

転機になったエピソードを教えてください。

会社を作るきっかけになったのは、コーチングとコンサルが混ざったスクールを受けたことでした。
それまで自分の強みや世の中に何を価値提供できるのかを深く考えたことがなかったのですが、そこで初めて向き合いました。
気づいたのは、自分一人でお客様を幸せにしていくだけでなく、同じ志を持った仲間とともに健康を世の中に普及させていくことにやりがいを感じるということでした。
そこから「スポーツジムの外に出て、もっと広い人たちに届けなければ」という気持ちと、「一人ではなく仲間と動いていく」という視点が重なって、法人化の決断につながっていきました。

活動を通じてどんな影響を広げていきたいですか?また、これからの展望を教えてください。

健康になる人を増やしたい、そして予防医療を日本でもっと普及させたいというのが自分の思いです。
医療機関で手遅れになってしまう方をたくさん見てきました。でも皆さん、その時が来ないと実感できない部分がある。予防の大切さは広まってきていますが、誰もが受けられる環境にしていきたいと思っています。
経営者の方に特化しているのには、明確な理由があります。日本の企業の99.7%は中小企業で、その多くでトップが組織の要として機能しています。
社長が元気であれば組織は動き、社長が倒れれば影響は社員・家族・取引先にまで波及する。
実際に、慢性的な腰痛が施術とトレーニングの組み合わせで消失したお客様から「体のことを四六時中考えながら過ごすストレスが減って、仕事の生産性が上がった」と言っていただいたことがあります。痛みや不調は、ただ痛いだけでなく、本来使えるはずのエネルギーを静かに削り続けて、経営判断そのものに影響を与えているんですよね。トップを守ることが、組織を守り、家族を守ることに直結すると本気で思っています。
ただ、予防するだけでは意味がないとも思っています。
予防して健康な状態になれば、もっと挑戦したり成長できる人が増える。心の内側から燃えてくるものをみんなが持てる社会になれば、エネルギーの循環も生まれて、いい社会が作れると信じています。
今後は経営者個人や法人支援だけでなく、地域や学校の領域にも広げていきたいと考えています。まずは日本でこの基盤を作り、ゆくゆくは海外にも届けていきたいです。
そのために今年は、自分依存の会社から脱却すること。同じ志を持った仲間を育て、束になって動ける組織にしていくことに取り組んでいます。

最後に、読者の方へメッセージをお願いします。

健康になる人が増えれば、社会全体のエネルギーが変わると本気で思っています。
予防医療や、体を整えることに興味がある方、また地域・学校・ビジネスの現場で健康に関わりたいと思っている方と、ぜひつながっていきたいです。
「目の前の人のお困りごとを解決する」という姿勢で、これからも一歩一歩取り組んでいきます。
この方に相談してみたい方へ
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