この記事の見どころ
⭐️歯科医療・音楽・REAL SHIFTに共通する想い
- 日本で歯科医師免許を取得し、2013年に渡米。現在は高齢の患者さんを中心に診療する傍ら、歌手活動や、自分と向き合う朝活・講座「REAL SHIFT」を主宰している。活動に共通するのは、「自分らしく、より豊かに生きるきっかけを届けたい」という想い。
⭐️アメリカ行きを決意するまでの、3年間
- もともとは冒険好きなタイプではなかったという竹内さん。海外への挑戦を思い描いてから、渡米を決断するまでには3年かかった。その一歩が、新しい出会いと生き方につながっていった。
⭐️祖父母と過ごした日々が、歯科医師としての原点に
- 祖父が歯科医師で、自宅と診療所が一体となった環境で育った。身近に医療があり、祖父母を大切に思って過ごした幼少期の経験が、現在の高齢者歯科医療への想いにつながっている。
⭐️「本を書く」という長年の夢を実現
- 2026年、著書『夢を手放す勇気/追いかける覚悟』を出版。これまでの葛藤や選択、挑戦を一冊にまとめた。6月には同じタイトルのコンサートも開催し、言葉と音楽で想いを届けた。
⭐️日米の経験を生かし、高齢者歯科医療の可能性を広げる
- 日本で学んだ高齢者歯科医療と、米国での研究・臨床経験。その両方を生かし、必要な人に歯科医療を届ける仕組みを考えている。施設や在宅でのケアも視野に、日米をつなぐ新たな医療モデルの構想を育てている。
Interview
「アメリカに行くという行動から、私は変わった」そう語るのは、歯科医師の竹内沙和子さん。日本で歯科医師免許を取得し、大学院修了後の2013年に渡米。研究と臨床研修を経て、現在はカリフォルニア州で、高齢の患者さんを中心に診療しています。
歌手・竹内佐輪子として音楽活動を行うほか、自分と向き合い、望む人生への一歩を踏み出すための「REAL SHIFT」も主宰。活動に共通するのは、「自分らしく、より豊かに生きるきっかけを届けたい」という想いです。これまでの選択と、これから描く未来について伺いました。

アメリカでの歯科診療、歌手活動、REAL SHIFTの主宰と、多面的に活動されている竹内さん。それぞれ、どのような思いで取り組まれているのでしょうか?

アメリカ・シリコンバレーの地域に密着したクリニックで、高齢の患者さんを中心に一般歯科の診療をしています。また、歌手としてコンサートを開催・出演したり、「REAL SHIFT」という朝活やワークショップ、講座を主宰したりしています。
REAL SHIFTでは、ジャーナリングなどを通じて自分の気持ちを見つめ、「本当はどうしたいのか」に気づき、小さな行動につなげていく時間を大切にしています。
一見違う活動に見えるかもしれませんが、私の中ではつながっています。歯科医療では身体や日々の暮らしを支え、音楽では心に届け、REAL SHIFTでは自分の人生に向き合う時間をつくる。どの活動も、その人が自分らしく、より豊かに生きるきっかけになれたらと思っています。

もともとは冒険好きなタイプではなかった中で、アメリカへ渡る決断に至るまでにはどんな経緯があったのでしょうか?

2006年に日本で歯科医師免許を取得し、その後、大学院で4年間、高齢者歯科について学びました。アメリカに渡ったのは2013年です。
もともと冒険好きなタイプではなく、海外で挑戦してみたいと思ってから、実際に渡米を決断するまでには3年ほどかかりました。不安もありましたが、いざ行動してみると、新しい出会いや経験を通して、自分自身が少しずつ変わっていったんです。
渡米する飛行機の中で出会った方とは、今でも大切な友人としてつながっています。あの時、一歩踏み出したからこそ得られたご縁が、今の自分につながっていると感じます。

祖父母と過ごした幼少期の経験から、高齢者歯科医療、そして音楽活動へとつながるまでの歩みを教えてください。

実家が歯科医院で、祖父も歯科医師でした。自宅と診療所が一体になった家で育ち、祖父母と過ごす時間も多かったので、医療は身近な存在でした。
昭和大学歯学部を卒業後、大学院で高齢者歯科学を学びました。渡米後はボストン大学で約2年間、高齢者医療の研究に携わり、その後、ロチェスター大学で3年間の歯科臨床研修を受けました。ニューヨーク州とカリフォルニア州の歯科医師免許を取得し、現在の診療につながっています。
一方で、昔からアートや音楽も好きでした。ただ、以前はその気持ちをあまり表に出せずにいたんです。少しずつ自分の「やってみたい」を形にするようになり、2026年には著書『夢を手放す勇気/追いかける覚悟』を出版しました。6月には同じタイトルのコンサートも開催し、言葉と音楽で想いを届けられたことは、大きな一歩でした。

医療に携わりながら、周りの人だけでなく自分の気持ちも大切にすることを伝えていらっしゃいます。活動で大切にしていることを教えてください。

「自分の気持ちも大切にしながら行動すること」です。医療に携わる方には、患者さんや家族、職場のために力を尽くしている方が多いと感じます。その一方で、自分のことは後回しになりやすいんですよね。
私自身、朝にジャーナリングをする時間を大切にしています。頭の中のモヤモヤや気持ちを紙に書き出すことで、「今、何を感じているのか」「何を大切にしたいのか」を確かめています。
周りの人を大切にすることと、自分を大切にすること。その両方を大事にしながら、自分が納得できる選択を重ねていきたいと思っています。

人生の転機を重ねながら、これからの生き方を選び直す時期もあったそうですね。その時に向き合ったことと、今模索している働き方を教えてください。

20代前半で父を亡くしたことや、渡米を決めたことなど、人生の中で大きな転機がいくつかありました。近年も、これからの生き方を考え直す大きな決断をしました。その時の葛藤や想いは、本にも綴っています。
これまでの出会いや過ごした時間を後悔しているわけではありません。今の生活やキャリアにつながる、大切な経験だったと思っています。そのうえで、これからどう生きたいのかを考え、自分の気持ちに向き合って選び直す必要がありました。
今は、歯科医療も音楽も、新しい挑戦も大切にしながら、自分の時間や将来の家庭も大事にできる働き方を模索しています。お互いの想いを尊重し、応援し合える人たちと歩んでいきたいですね。

日米で学び、働いてきた経験を生かし、高齢者歯科医療にどのような可能性を広げていきたいと考えていますか?

日本とアメリカで学び、働いてきた経験を生かして、高齢者歯科医療の可能性を広げていきたいです。特に、日本の施設や在宅での歯科医療の取り組みには、アメリカでも生かせる知恵があるのではないかと感じています。
もちろん、制度や文化、医療の提供体制が異なるので、そのまま導入できるわけではありません。現地のニーズを知り、必要な人にケアを届ける仕組みや、現場のスタッフが学べる機会を、どのようにつくれるか考えているところです。
患者さんだけでなく、歯科医師・歯科衛生士・歯科助手など、支える側もやりがいを持って働ける形を目指したいです。今後は、シリコンバレーで出会う起業家やさまざまな分野の方とも意見を交わしながら、構想を具体化していきたいと思っています。

歯科診療と事業、音楽、講座、そして家庭も大切にしたいという思いを、これからどのように形にしていきたいですか?

仕事では、日米の経験を生かした高齢者歯科医療の事業づくりに挑戦したいです。患者さんを直接診る時間も持ちながら、より多くの方に医療を届ける仕組みにも関わっていきたいと思っています。
今は週5日の臨床が中心ですが、将来的には診療と事業、音楽、講座のバランスを少しずつ変えていきたいですね。プライベートでは、家庭を持ち、子育てもしたいという想いがあります。
すべてを一度に実現しようとするのではなく、その時々に大切にしたいことを選びながら、仕事も家庭も大切にできる生き方をつくっていきたいです。

最後に、忙しい毎日の中で自分らしい一歩を探している読者へ、メッセージをお願いします。

忙しい毎日の中でも、少しだけ立ち止まって、「私は本当はどうしたいんだろう」と自分に聞く時間を持っていただけたらと思います。
私も迷いながら選択を重ねてきましたし、今も挑戦の途中です。最初から明確な答えがなくても、気になることを調べたり、会いたい人に連絡したり、小さく試すことで見えてくるものがあります。
すぐに大きな決断をする必要はありません。自分のペースで、一歩ずつ。周りの人を大切にするのと同じように、ご自身の気持ちや「やってみたい」という想いも大切にしていただけたら嬉しいです。
竹内沙和子さん(歌手名:竹内佐輪子)、インタビューにお答えいただきありがとうございました!
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